【完全ガイド】Wan 2.5 使い方|Alibaba「映像+音声+BGMを一発出力」AI動画の本気度

AI動画から書き出した素材に、毎回別アプリで音を当てるのがダルい…映像と音が同時に出るAIってないの?
これ、僕も同じ場所にいました。
Wan 2.5 は、Alibaba(アリババ)が出している AI 動画生成サービスで、映像・環境音・BGM・セリフが完全に同期した状態で一度に出力できるのが最大の特徴です。これまでRunway / Sora / Klingで映像を出して、ElevenLabs や別途SE集で音を当てる──という2段運用が前提でしたが、Wan 2.5 はその工程を1ステップに圧縮してくれます。
僕は現役の MV/PV クリエイターで、AI 動画は Runway / Sora / Veo / Kling / Pika / Hailuo / Seedance を案件ごとに使い分けています。Wan 2.5 を本気で触ってみて、「音声同期出力は実案件で本当に使えるレベルなのか」「他社モデルと比べてどこに刺さるのか」を整理してきました。
結論から言うと、Wan 2.5 は「プリビズ・絵コンテ動画」「SNS用ティザー」「企画提案用ダミー映像」の領域でいま一番効率的です。本編クオリティで使うにはまだ早い面もありますが、ワークフロー革命としては無視できないレベルに来ています。
読み終わる頃には、自分の案件で Wan 2.5 を採用すべきか、他社AI動画と組み合わせて使うべきかが判断できる状態になっています。
- Wan 2.5 の特徴(他社と何が違うのか)
- WaveSpeedAI 経由での登録〜利用開始まで
- テキスト→動画/音声同期生成の3ステップ
- リファレンス音声アップロードで雰囲気を継承する方法
- プリビズ・MVラフ作成での実用的な活用シーン
- 料金プラン(Starter / Pro)の選び方
- 合う人・合わない人の判断基準
1. Wan 2.5 の3つの注目点|音声同期・テキスト→動画の新世代
まず、全体像を先に押さえます。Wan 2.5 は Alibaba の動画生成モデルで、「映像と音声の完全同期出力」「リファレンス音声入力」「マルチモーダル拡張性」の3点が他社との差別化軸です。
注目点①|映像・音声・BGM・セリフを一発で生成
Wan 2.5 の最大の特徴は、テキストプロンプト1本から、映像・環境音・BGM・セリフが完全に同期した状態で出力できること。Veo 3.1 と同じ系統の音声付き出力モデルですが、Wan 2.5 はBGMやセリフまで一気に含められる点が踏み込んでいます。
たとえば「夜の東京の通りを歩く女性」というプロンプトに対して、映像と一緒に「足音」「街の喧騒」「ローファイなBGM」が同時に生成されて、なおかつ映像の動きと完全に同期している──これが現場で初めて見ると衝撃的です。
注目点②|リファレンス音声で雰囲気を継承
独自のオーディオファイル(WAV/MP3)をアップロードして、その雰囲気をAIに継承させる機能もあります。3〜30秒、15MBまでのオーディオを参照として渡すと、Wan 2.5 はその音響的な雰囲気を踏まえた映像を生成します。
MV案件で「楽曲のサビ前の静かなパート」みたいな雰囲気を、AIに事前に伝えてイメージを揃えたいときに刺さる機能です。
注目点③|Alibaba のマルチモーダル基盤の拡張性
Wan は Alibaba の Tongyi(通義)グループの一部で、画像生成・テキスト生成・音声生成が連携しています。Wan 2.7 では Thinking Mode(思考モード)が追加され、複雑なプロンプトをモデル内部で構造化してから生成する仕組みに進化中。
ベースとなる 2.5 をしっかり使えるようになっておくと、上位バージョンへのアップデートがスムーズに移行できます。

ぶっちゃけ、「映像と音を別々に作る前提」だったAI動画ワークフローを、根本から変えに来たのが Wan 2.5 なんですよね。
2. 始め方|WaveSpeedAI 経由の登録手順
Wan 2.5 は Alibaba の中国本土プラットフォームから直接使う方法もありますが、日本からの利便性で言うと WaveSpeedAI 経由が現実的です。
ステップ 1|WaveSpeedAI にアクセス
ブラウザで「WaveSpeedAI」と検索すると、公式サイト(wavespeed.ai)が表示されます。WaveSpeedAI は Wan のほか、Veo / Seedance / Kling など複数の動画生成AIを横断的に使えるプラットフォームです。
ステップ 2|アカウント登録
- Google アカウント連携(推奨)
- メールアドレス + パスワード
日本から登録するなら Google 連携がいちばん速いです。登録後は WaveSpeedAI のダッシュボードに入ります。
ステップ 3|モデル選択画面で Wan 2.5 を選ぶ
ダッシュボードのモデル一覧から「Wan 2.5」を選択します。WaveSpeedAI では Wan 2.1 / 2.2 / 2.5 / 2.6 / 2.7 など複数のバージョンが並んでいるので、本記事の対象は「Wan 2.5」です。
ステップ 4|クレジット購入またはプラン契約
WaveSpeedAI はサブスクとクレジット買い切りの両方に対応しています。初回は無料クレジットが付与される場合があるので、まずはそれで数本生成して感触を掴むのがおすすめ。
- 日本から決済可能(クレジットカード対応)
- 複数の動画生成AIを横断利用できる
- UIが英語ベースで明確
- ドキュメントとAPI仕様が整備されている
- Alibaba 公式ルートと違い、決済とアカウント管理の壁が低いのが利点
3. 基本操作|テキスト→動画生成3ステップ
ここからは Wan 2.5 の基本操作です。
ステップ 1|プロンプトを書く
プロンプト欄に、生成したい映像と音響の内容を記述します。Wan 2.5 は「映像」と「音」両方の指示を含めるのがコツ。
例:「A young Japanese musician walking through a rainy Tokyo alley at night, wearing a black hoodie, holding a guitar case. Camera: slow tracking shot from the side. Audio: soft rain sounds, distant traffic noise, melancholic lo-fi piano BGM.」
「映像 → 動き → カメラ → 音響」の順で書くと安定します。
ステップ 2|パラメータを設定
- 解像度:720p / 1080p
- 動画の長さ:5秒 / 10秒 / 15秒
- 音声:オン / オフ
- Seed:固定するとバリエーション再現が容易
- Aspect Ratio:16:9 / 9:16 / 1:1
音声をオフにすると映像のみ生成になります(通常の動画生成と同じ)。Wan の真価を試すなら、まず音声オンで生成してみてください。
ステップ 3|生成 → ダウンロード
「Generate」をクリック。生成には2〜5分程度かかります(他社モデルよりやや長め)。完成したら MP4 でダウンロード可能。音声は映像に埋め込まれた状態で出力されるので、別途の合成作業は不要です。

- [Visual: シーン + 被写体 + 動き]
- [Camera: カメラワーク]
- [Audio: 環境音 + BGM + セリフ]
- [Style: 映像スタイル]
- 構造化して書くと、音声・映像両方のクオリティが安定します。
4. 音声同期生成|環境音・BGM・セリフを一発出力
ここが Wan 2.5 の本領発揮ポイントです。
音声同期の中身
Wan 2.5 が一回の生成で出してくれる音声は、大きく3種類:
- 環境音(Ambience):雨音、街の喧騒、波の音、風など
- BGM(Background Music):シーンの雰囲気に合わせた音楽
- セリフ(Dialogue):プロンプトで指定したセリフ(オプション)
特に環境音とBGMは、映像のテンポと完全に同期します。歩く足音が映像の歩幅と合っている、街のノイズがカメラの動きに合わせて変化する──こういう細かい同期が、人力で合わせるより自然に出ます。
セリフ生成の注意点
Wan 2.5 はセリフ生成もできますが、日本語セリフはまだ不自然な場合があります。英語セリフは比較的安定。MV案件で歌詞を入れたい場合は、別途 ElevenLabs などで音声生成して合成する方が確実です。
ElevenLabs の使い方はElevenLabs 使い方ガイドを参考にしてください。
BGM 生成のクオリティ
BGM はジャンル指定(lo-fi / cinematic / orchestral / ambient など)が可能。10秒程度の短尺なら案件で使えるレベルです。ただし、商用案件で BGM を本格使用する場合は、Wan の利用規約と商用利用条件を必ず確認してください。
- プリビズ・絵コンテ動画の段階で BGM 付き映像を出す → クライアント承認が速くなる
- SNSティザー動画として、BGM 付きのまま9:16でアップロード
- 本編には Wan の映像のみ使い、音は別途プロが作る
- 「音付きで一気に見せる」のが Wan 最大の強み
5. リファレンス音声のアップロード|WAV/MP3で雰囲気を継承
Wan 2.5 のもう一つの特徴が、リファレンス音声入力です。
リファレンス音声の仕様
- 形式:WAV / MP3
- 長さ:3〜30秒
- ファイルサイズ:15MB まで
- 用途:その音声の雰囲気を映像生成に反映させる
使い方の手順
- プロンプト入力画面で「Reference Audio」セクションを開く
- 参照したい音声ファイルをアップロード
- プロンプトを書く(映像内容を中心に)
- 生成すると、リファレンス音声の雰囲気を踏まえた映像が出る
活用シーン
- 楽曲の一部をリファレンスにして、その曲調に合った映像を生成
- 既存のSE集の音を渡して、そのシーンに合う映像を作る
- 雰囲気を統一したい複数カットの生成で、共通のリファレンス音声を使う
楽曲のサビ前の静かなパートをリファレンスに渡して、映像の雰囲気を寄せる──MV案件で僕がいちばん刺さると感じた使い方です。

6. プリビズ・MVラフ作成での活用|実音は別録り前提のワークフロー
ここから実案件視点に切り替えます。Wan 2.5 が本当に刺さる活用シーンを3つに絞って紹介します。
活用シーン①|MV案件のプリビズ動画
実写撮影前の絵コンテ動画として、Wan 2.5 で「BGM付きの動く絵コンテ」を提案資料として作る。これが現場で一番使えます。
クライアントは「テキスト + 静止画」より「動く絵コンテ + BGM」の方が圧倒的に判断しやすい。承認スピードが体感で2倍は速くなりました。
活用シーン②|SNS用ティザー動画
楽曲の公開前ティザーを、Wan で「映像 + 音」一発で生成してTikTok / Instagram Reels / YouTube Shorts に即投稿。実音を本編から漏らさずに、雰囲気だけ伝えるティザーが作れます。
活用シーン③|企画提案用ダミー映像
新規案件の提案資料に、Wan で生成した映像 + BGM を挟む。「こういう雰囲気の映像を提案します」を、実写撮影なしで提示できます。
これまで提案資料は静止画と文章だけだった企画書が、Wan の登場で動画提案前提に変わりつつあります。
苦手分野(先に共有)
- 本編クオリティの音楽生成(10秒以上の楽曲は破綻気味)
- 日本語セリフの自然さ(英語よりかなり劣る)
- 細かい歌詞同期(リップシンクは未対応)
- 高解像度(4K)の音声同期(1080pまでが現実的)
これらは「本編に直接使うのは早い」サイン。プリビズ・ティザー・提案用に絞ると、Wan 2.5 はいま最も時短効果が大きいAI動画です。

結局、月額いくらから始められる?Alibaba 公式と WaveSpeedAI、どっち使えばいい?
日本のクリエイターが触るなら、WaveSpeedAI 経由が圧倒的に楽です。次のH2で料金プランを整理します。
7. 料金プランと商用利用|Starter/Pro の選び方
ここで料金プランの話に入ります。
WaveSpeedAI 経由の料金プラン
- Starter:月額 $20.9(100クレジット)
- Pro:月額 $34.9(200クレジット)
- Enterprise:要問い合わせ
クレジットの消費は、解像度・尺・音声の有無で変動します。1080p × 10秒 × 音声オンで、おおむね5〜10クレジット程度を消費する感覚です。
商用利用の扱い
WaveSpeedAI のサブスクで生成した動画は、商用利用可能です。ただし、リファレンスとして渡した音声・画像の権利は別途確認が必要。他者の著作物をリファレンスに渡す場合は、ライセンスを必ず確認してください。
Alibaba 公式ルートの場合
Wan 2.5 は Alibaba Cloud から直接利用する方法もありますが、日本からの決済・アカウント管理がやや煩雑。法人案件で大量に運用する場合のみ検討、個人クリエイターなら WaveSpeedAI 経由が現実的です。
- 初めて触る:無料クレジットで2〜3本検証
- 月数本のプリビズで使う:Starter($20.9)
- 月10本以上で本格運用:Pro($34.9)
- 法人スタジオ運用:Enterprise を相談
- 既に他社AI動画と併用するなら、Starter で十分まわせます
AI動画生成全般の商用利用ルールについてはAI動画生成 商用利用 著作権ガイドも合わせて確認してください。
8. 他社AI動画との使い分け|Wan 2.5 が合う人・合わない人
最後に、案件視点で「Wan 2.5 が合う人・合わない人」を整理します。
Wan 2.5 が合う人
- プリビズ・絵コンテ動画を効率化したい
- 提案資料に動画 + BGM を入れたい
- SNS用ティザーを「映像と音セット」で素早く作りたい
- 音声を別生成→合成する工程を減らしたい
- WaveSpeedAI で他社AI動画と横断して使いたい
Wan 2.5 が合わない人
- 本編クオリティの映像をAIだけで作りたい
- 日本語セリフのリップシンクが必須の案件
- 4K / 30秒以上の長尺ワンカットを生成したい
- リアルタイム生成・APIフル活用が必要
- Hailuo / Kling のアジア系ヒューマン精度に頼りたい
他社との使い分け早見表
| 用途 | 第一候補 | Wan 2.5 の立ち位置 |
|---|---|---|
| 映像 + 音声同時生成 | Wan 2.5 | 第一候補 |
| プリビズ・絵コンテ動画 | Wan 2.5 | 第一候補 |
| アジア系ヒューマンMV | Hailuo 02 / Kling 2 | 補助役 |
| 物理エフェクト | Sora / Veo 3.1 | 苦手 |
| Motion Brush 部分制御 | Runway Gen-3 | 苦手 |
| 既存映像のテキスト編集 | Runway Aleph 2.0 | 用途違い |
| 長尺の連続シーン | Seedance 2.0 | 苦手 |

Wan 2.5 の使い方の現実解は、「プリビズ・提案用は Wan、本編は他社」の二段構えです。これが現場で一番効率がいい。
AI動画生成全体のおすすめ比較は動画生成AIおすすめ完全ガイド、Hailuo 02 との比較はHailuo 02 使い方もチェックしてください。
9. まとめ|映像と音を一発で出す時代のワークフロー設計
Wan 2.5 は、AI 動画生成の「映像 + 音声」一発出力を実用レベルに引き上げてきたモデルです。本編クオリティで使うにはまだ早い場面もありますが、プリビズ・提案・ティザーの領域では、いま最も時短効果が大きい選択肢です。
本記事の要点を最後にもう一度:
- 映像・環境音・BGM・セリフが完全同期で一発出力
- リファレンス音声で雰囲気を継承できる
- WaveSpeedAI 経由が日本からの実用ルート
- プリビズ・SNSティザー・提案資料に最も刺さる
- 本編・長尺・日本語セリフは別ツールに任せる
- Starter $20.9 / Pro $34.9 の参入障壁が低い
これから Wan 2.5 を案件で初めて使うなら、WaveSpeedAI で無料クレジット → 5本ほど検証 → Starter に切替がいちばん入りやすいルートです。
音声まで一発で出てくる体験は、一度味わうと戻れません。プリビズの工数が体感で半分以下になります。一緒に映像で食べていける仲間として、次の案件で試してみてください。
