【現役解説】動画編集の案件獲得!未経験からの現実的ルート
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編集ソフトの操作はひと通り覚えました。でも、いざ案件を探そうとすると求人サイトみたいなものが見つからなくて…。クラウドソーシングに登録はしたんですけど、応募しても返事が来ないんです。未経験だと、そもそもどこに動画編集の仕事があるのか分からなくて。
こんにちは、現役MVクリエイターの青来です。動画編集の案件は、「クラウドソーシング」「スキルマーケット」「SNS経由」「直営業」「紹介」の5つのルートに整理できます。求人サイトのような一枚岩の窓口が無いので、最初は迷って当然なんですよね。
そしてこの5つは単価も難易度もスピードもまるで違います。同じ「動画編集の案件」という言葉でくくられていますが、1本3,000円の世界と1本10万円の世界が同じ棚に並んでいる状態です。
この記事は、その5ルートを地図として並べて、未経験がどの順番で通ると最短で1件目にたどり着けるのかを設計する記事です。各サービスの細かい使い方は個別の記事に譲って、ここでは全体像と判断の順番に集中します。
それから、お金と契約の話も避けません。手数料の数字は2026年8月8日に各社の公式ページを直接見て確認した内容だけを書いています。確認できなかったものは「確認できませんでした」と正直に書きますね。
- 動画編集の案件がある場所を5ルートに整理した全体像(単価帯・難易度・スピードの比較表つき)
- 未経験でも案件を取れる人と、半年たっても0件の人で何が違うのか
- クラウドワークス・ランサーズ・ココナラの手数料(2026年8月8日に公式ページで確認した実数)
- SNS・直営業・紹介で単価が跳ねる仕組みと、そこに行くまでの準備
- 応募が通る提案文に入れる4要素と、落ちる提案文の共通点
- 案件を受ける前に確認する契約・報酬のルール(フリーランス法の明示8項目と60日以内ルール)
- 僕が単価2万円の1件目から、1案件10万円まで上げるあいだにやったこと
そもそも副業として動画編集を始めるところから整理したい人は、先に動画編集の副業の始め方ガイドを開いておくと、この記事の話がつながりやすくなります。
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1. 動画編集の案件はどこにあるのか|獲得ルート5つの全体像
動画編集の案件は、クラウドソーシング・スキルマーケット・SNS経由・直営業・紹介の5ルートに集約されます。まずこの地図を頭に入れるところからです。

案件が取れない人の多くは、スキル不足で止まっているわけじゃないんですよね。1つのルートだけを叩き続けて、そこが自分に合っていないことに気づいていないだけ、というケースがかなり多いと感じます。
5つのルートを1枚で比較する
先に全体を並べます。単価帯は僕が見聞きしている相場感で、公式に発表された統計ではないので参考値として読んでください。
| 獲得ルート | 単価帯の目安 | 難易度 | 1件目までのスピード | 手数料 |
|---|---|---|---|---|
| ①クラウドソーシング (クラウドワークス/ランサーズ) | 1本3,000〜3万円 | 低 | 速い(数日〜数週間) | あり(後述の実数) |
| ②スキルマーケット (ココナラ) | 1本5,000〜5万円 | 低〜中 | 中(出品後、待ちが発生) | あり(後述の実数) |
| ③SNS経由 (X・Instagram・YouTube) | 1本1万〜10万円 | 中 | 遅い(数ヶ月) | なし |
| ④直営業 (制作会社・企業へ直接) | 1本3万〜30万円 | 高 | 遅い(数ヶ月) | なし |
| ⑤紹介 (人づて・現場つながり) | 1本5万〜数十万円 | —(実績が前提) | 読めない | なし |
この表で一番見てほしいのは、「スピードが速いルートほど単価が低く、単価が高いルートほど時間がかかる」というトレードオフです。ここを理解しないまま「未経験だけどいきなり月30万」を狙うと、だいたい詰みます。
未経験が最初に通るべきなのは①②
結論としては、未経験の1件目はクラウドソーシングかスキルマーケットで取りに行くのが現実的です。理由は単純で、この2つだけが「実績ゼロの人にも門が開いている」から。
③④⑤は、どれも「相手があなたを信用する材料」を先に必要とします。SNSなら投稿の蓄積、直営業なら見せられる制作物、紹介なら一緒に仕事をした人の記憶。ゼロの状態からいきなり入れる入口ではないんです。
ただし、①②に居続けるのは別の話。手数料と価格競争があるので、単価の天井が構造的に低いんですよね。だから①②で実績を作って、③④⑤へ移す。これが動画編集の案件獲得の基本設計だと思っています。
- フェーズ1(0〜3件目):クラウドソーシング/スキルマーケットで「納品して報酬を受け取る」体験を作る
- フェーズ2(3〜15件目):同じ場所で単価を上げつつ、見せられる制作物を貯める
- フェーズ3(15件目〜):SNS・直営業・紹介へ軸足を移す。ここで単価が段違いになる
この3フェーズを飛ばそうとすると、たいてい遠回りになります。逆に順番どおりに進めば、半年から1年で「単価1万円台の案件を安定して受けられる」あたりまでは十分に届くと思いますよ。
2. 未経験でも動画編集の案件を取れる人/取れない人の差
動画編集の案件を未経験から取れる人は、編集が上手い人ではありません。「発注側のリスクを下げる情報」を先に出せる人です。

発注する側の立場になると、これはすぐ分かります。お金を払う側がいちばん怖いのは「納期に間に合わない」「連絡が途絶える」の2つで、クオリティの心配はそのあとなんですよね。
僕自身、2021年に独立してから映像案件をPMとして他のクリエイターに振っていた時期があります。そのとき何を見ていたかというと、作品のクオリティよりも「返信の速さ」と「聞かれる前に状況を報告してくれるか」でした。技術がある人はたくさんいるので、そこでは差がつかないんです。
案件を取れる人の4条件
- ①見せられる制作物がある:実案件でなくてOK。自主制作でも「この人はこういう画が作れる」が伝われば機能します
- ②稼働できる時間を数字で言える:「平日2時間、土日6時間、月40時間まで」のように具体的に。ここが曖昧な人は敬遠されます
- ③返信が速い:24時間以内が目安。相手は複数人に声をかけているので、返信が遅いだけで選択肢から外れます
- ④できないことを先に言える:「モーショングラフィックスは対応できませんが、カット編集とテロップは対応できます」の形。これが信用になります
この4つ、全部スキルとは関係ないんですよね。「未経験だから案件が取れない」のではなく、「未経験であることの不安を相手側で処理させているから取れない」というのが実態に近いと思います。
半年たっても0件の人がハマっている3パターン
逆に、時間をかけているのに1件目に届かない人には共通のパターンがあります。
- 準備が終わらない:ソフトの学習・機材選び・チュートリアルの周回で半年が溶ける。応募していないので、当然0件のままです
- 応募数が足りない:5件応募して「反応がない」と結論を出してしまう。感覚値ですが、最初は20〜30件は出す前提で考えたほうがいいです
- 提案文がテンプレのまま:どの募集にも同じ文章を貼っている。発注者は毎日それを何十通も読んでいるので、一瞬で見抜かれます
特に1つ目が根深いです。手を動かして覚えたい気持ちはすごく分かるんですけど、「学習」と「応募」は並行してよくて、むしろ並行したほうが学習効率が上がります。締切がある課題ほど身につくものはないので。
独学の進め方そのものを組み立て直したい人は動画編集の独学ロードマップの記事、見せる制作物の作り方は動画のポートフォリオの作り方の記事にまとめています。
「資格を取ってから応募しよう」と考えている人へ。
動画編集の案件で資格を提示条件にしている募集を、僕はほとんど見たことがありません。資格の勉強に数ヶ月を使うくらいなら、その時間で作品を3本作って応募したほうが1件目は近いです。資格の要否をきちんと検討したい人は動画編集の副業に資格は要るのかを検証した記事を見てみてください。
3. 動画編集の案件獲得ルート①クラウドソーシング|手数料と現実的な単価
クラウドソーシングは動画編集の案件を最短で取れる場所です。ただし手数料が引かれるので、手取りベースで考える必要があります。
ここからの数字は、2026年8月8日に各社の公式ページを直接開いて確認したものです。料率は改定されることがあるので、申し込み前にご自身でも最新の表示を確認してくださいね。
クラウドワークスのシステム利用料(2026年8月時点)
クラウドワークスの「ワーカーシステム利用料」ページには、報酬額に応じた3段階の料率が表で掲載されています。
- 10万円以下の部分:20%
- 10万円超20万円以下の部分:10%
- 20万円超の部分:5%
- タスク形式の場合:20%
そして同じページに、実際の計算例も載っています。契約金額10,000円(税抜)の仕事なら、税込11,000円に対してシステム利用料が2,420円(税込)、ワーカーの受取額は8,580円という例です。
公式の計算式は「ワーカー受け取り金額=(契約金額+消費税)-(システム利用料+消費税)」と明記されています。動画編集の案件は大半が10万円以下なので、実質20%が引かれる前提で見積もることになりますね。
振込手数料も同じページに書かれていて、楽天銀行なら税込100円、他行なら税込500円とのこと。ここは口座を分けるだけで差が出る部分です。
ランサーズのシステム手数料(2026年8月時点)
ランサーズはヘルプページで料率がはっきり書かれています。ランサー(受注側)は契約金額(税込)の16.5%、クライアント(発注側)は契約金額(税込)の5.5%。
別の公式ページには内訳も書かれていて、「ランサー:契約金額の15%(税込16.5%)」「クライアント:契約金額の5%(税込5.5%)」という記載でした。プロジェクト、コンペ、タスク、時間報酬、月額報酬、パッケージのすべての方式が対象とのことです。
報酬の受け取りについても公式に条件が書かれていました。口座残高の合計が1,000円を超えていること、本人確認が承認済みであること、振込先口座が正しく設定されていること、出金方式が「自動出金方式」であること。この4条件です。
締め日と支払日も明記されていて、締め日は毎月15日と月末、15日締め分は当月末日、月末締め分は翌月15日に支払いという運用です。納品してすぐ入金されるわけではないので、生活費を当て込んだスケジュールで動くのは危険ですね。
そしてもう1つ、見落とすと地味に効いてくるのが出金時の事務手数料です。ランサーズは2026年6月29日付のお知らせで、この手数料の変更を公式に告知しています。
内容がなかなか重要で、楽天銀行は現行110円のまま据え置かれず、2026年8月31日振込分から220円、2027年1月29日振込分からは550円へと二段階で上がっていくと告知されています。逆に三井住友銀行は550円から220円に下がり、その他の銀行は550円のまま。金額はすべて税込です。
つまりこれまで「楽天銀行にしておけば安い」と言われていた前提が、2027年1月には逆転するということですね。口座名義や口座番号の不備があったときに引かれていた組戻手数料のほうは、2026年5月末日の振込分から660円→0円になったとも書かれています。
1回500円前後の手数料は、1本5,000円の案件だとそれだけで手取りの1割が消える計算です。少額のうちは出金回数を減らす「キャリーオーバー方式」を選ぶ、という話が公式にも出てくるのは、この重さがあるからだと思います。
ココナラの販売手数料(2026年8月時点)
ココナラは案件に応募するのではなく、自分のサービスを出品して待つ形です。手数料はヘルプに明記されています。
- 通常のサービス販売時の手数料:22%(内訳は「販売時の手数料20%×1.1=税込22%」と公式に記載)
- ビデオチャットサービス販売時の手数料:27.5%(同じく25%×1.1)
公式の計算例もそのまま載っていて、「販売総額125,000円のトークルームの場合、125,000円-125,000円×0.2×1.1=97,500円(売上金)」となっています。
振込まわりも確認できました。売上金額が3,000円未満の場合は振込手数料160円が差し引かれ、3,000円以上なら振込手数料は無料。振込申請の期限は売上が反映されてから120日で、毎週月曜〜日曜に申請された売上金は翌週木曜日中に振り込まれるという運用です。
受取可能な売上残高が161円以上あれば申請できるとのことなので、少額でも3,000円までは貯めてから申請したほうが手取りは増えますね。
手数料率は改定されます。ここに書いた数字は2026年8月8日時点で公式ページに表示されていた内容です。
実際、ランサーズは過去にシステム手数料の体系を変更したことを公式にお知らせしています。見積もりを出す前に、必ずその時点の公式ヘルプで最新の料率を確認してください。ネット上の解説記事の数字をそのまま信じて逆算すると、手取りがズレます。
クラウドソーシングが合う人・合わない人
手数料の話をすると「高い」と感じる人が多いんですけど、与信・集客・入金保証をまとめて外注していると考えると、初期に払う価値は十分にあります。ただ、向き不向きははっきりあります。
- 合う人①:実績ゼロで、とにかく1件目の納品体験がほしい人
- 合う人②:営業や交渉が苦手で、案件が並んでいる場所から選びたい人
- 合う人③:副業で、月数万円のレンジをまず確保したい人
- 合わない人①:すでに実績があり、単価を上げたい段階の人(手数料と価格競争が重くなります)
- 合わない人②:作家性のある映像で勝負したい人。求められるのは主に量産と再現性です
- 合わない人③:本業が忙しく、日中の連絡に反応できない人。返信速度が競争力になる場所なので不利になります
各サービスの具体的な使い方や、どんな募集を選ぶべきかは個別に書いています。クラウドワークスで動画編集の案件を取る記事、ランサーズの始め方の記事、ココナラで動画編集を出品する記事をどうぞ。
4. 動画編集の案件獲得ルート②SNS・直営業・紹介|単価が跳ねるのはこっち
動画編集の案件で単価が跳ねるのは、仲介を挟まないルートです。手数料がゼロになるうえ、価格の基準が「相場」から「あなた」に変わります。

SNSで案件を取るって聞くんですけど、フォロワーが200人くらいしかいなくて…。バズらないと無理なんじゃないかと思ってるんですが、実際どうなんでしょう。
バズは要らないですよ。SNS経由の依頼は「多くの人に見られた」ではなく「発注したい1人に見つかった」で成立します。フォロワー数と受注数は、実感としてほとんど比例していません。
SNS経由|作業の過程を出すと声がかかる
SNSで動画編集の案件につながるアカウントには、共通点があります。完成品だけでなく、作っている過程・使った設定・詰まった箇所を出していることです。
完成品だけ並べていると「上手いな」で終わってしまう。過程が見えると「この人は何をどこまでできるのか」「頼んだらどう進むのか」が想像できるんですよね。発注は想像できたときに起きるんですよ。
- やること①:プロフィールに「何ができて、依頼をどこで受けるか」を1行で書く。ここが空欄だと、見つかっても連絡先がありません
- やること②:週2〜3本、作業の断片を投稿する。10秒の書き出し前後の比較でも十分に伝わります
- やること③:得意ジャンルを絞る。「動画編集やってます」より「縦型のインタビュー動画が得意です」のほうが指名されます
ここで「何でもできます」と書くと、逆に誰からも声がかからなくなります。発注側は「この用途に強い人」を探しているので、幅の広さは検索から漏れる原因になるんです。
直営業|制作会社の「手が足りない枠」を狙う
直営業は、映像制作会社・広告代理店・企業の広報部などに直接コンタクトを取る方法です。難易度は高いですが、一度入ると継続案件になりやすく、単価も安定します。
ポイントは、相手が困っているタイミングに当たること。制作会社はだいたい常に人手が足りていないので、「今すぐではなくても、手が足りないときに声をかけてもらえる位置」に名前を置いておくのが目的になります。
- 作品URLを1本だけ添えて送る(3本も4本も貼らない。見る側の負担が増えるだけです)
- 対応できる工程を具体的に書く(例:カット編集・テロップ・簡単な色調整・BGM選定まで)
- 週あたりの稼働可能時間と、使用ソフト・バージョンを添える
- 返信がなくても催促しない。3ヶ月後に新作を添えてもう1回だけ送る
直営業でいちばん多い失敗は、返信がない相手に連投してしまうことです。相手は見ていないのではなく、今は枠がないだけですよ。距離感を保っておくと、半年後に連絡が来ることが普通にあります。
紹介|狙って作れないが、確率は上げられる
紹介は、いちばん単価が高く、いちばんコントロールできないルートです。僕自身の仕事も、いまは紹介と直依頼が主軸になっています。
ただ、確率を上げる方法はあります。「紹介したくなる人」は、実力より先に『説明しやすい人』であるということ。「◯◯が得意な人がいますよ」と一言で言える人は紹介されます。
- 肩書きを一言にする(「MVの編集をしています」「企業VPの編集が中心です」など)
- 納期を守る。紹介は紹介した人の信用を貸してもらう行為なので、ここが崩れると次はありません
- 受けられないときは、早く断る。曖昧に引き延ばすほうが心証は悪くなります
単価そのものの考え方や交渉の順番は動画編集の単価相場と交渉の記事にまとめています。仲介を外したあとの見積もりの立て方は、正直こっちの記事のほうが実務的です。
5. 動画編集の案件応募で通る提案文の作り方|選ばれる4要素
動画編集の案件で選ばれる提案文は、長さでも熱意でもありません。相手が判断に使う4つの情報が、上から順に並んでいるかどうかです。

発注者は募集1件に対して何十通も提案を受け取ります。そのうえで1通あたりに使う時間はおそらく10秒前後。ここを前提にすると、書くべきものは自然に決まります。
要素①募集内容の理解を1文で示す
最初の1文で、募集文をちゃんと読んだことを示します。「YouTube向けの10分尺、週2本、テロップとSE込みという理解で合っていますでしょうか」のような形です。
これだけで、テンプレを貼り付けている大多数の応募と明確に区別されます。実際、ここを書くだけで反応率が変わったという話はよく聞きます。
要素②近い制作物を1本だけ出す
実績集をまるごと送るのではなく、その募集にいちばん近い1本だけをURLで出す。これが効きます。
相手は「自分の案件をこの人に任せたらどうなるか」を見たいだけなので、無関係な作品が混ざると判断が濁ります。10本の実績より、1本の「近い実績」のほうが強いんですよね。
近い実績がないなら作ってしまうのも手です。募集ジャンルに寄せた練習作を1本作って、「実案件ではありませんが、同じ形式で制作したものです」と正直に添える。これで通ることは普通にあります。
要素③稼働条件を数字で書く
「頑張ります」「柔軟に対応します」は情報がゼロです。代わりに数字を出します。
- 稼働可能時間:平日20時〜23時、土日は終日
- 1本あたりの想定制作時間と、初稿提出までの日数
- 連絡がつく時間帯と、返信の目安(例:平日は12時間以内)
- 使用ソフトとPC環境(バージョンまで書くと親切です)
発注側が知りたいのは能力の上限ではなく、進行のリスクです。ここを数字で潰してあげると、未経験でも十分に戦えます。
要素④修正回数と対応範囲を先に決めておく
ここを書かない人が本当に多いんですけど、後から効いてきます。「修正は2回まで、それ以降は別途ご相談」のように、提案の段階で修正回数の上限を書いておく。
これは相手を縛るためではなく、自分の時給を守るためです。修正回数を決めずに受けた案件は、単価が2分の1、3分の1になっていくことがあります。実際、僕が制作進行として案件を回していた頃も、ここが曖昧な発注はだいたい揉めていました。
提案文でやりがちなNGを3つだけ。
①自己紹介から始める(相手が知りたいのは経歴ではなく、案件が回るかどうか)。②「単価はいくらでも構いません」と書く(安さで選ばれた案件は、安いまま続きます)。③長文にする。400〜600字くらいで、要素①〜④が上から順に並んでいる状態がいちばん読まれます。
6. 動画編集の案件を受ける前に確認する契約・報酬のルール
動画編集の案件を受けるときは、報酬額と支払期日を書面か電子データで残すのが基本です。ここには法律の後ろ盾があります。

2024年11月1日に、通称「フリーランス法」(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行されました。従業員を使っていない個人に業務委託する事業者は、この法律のルールを守る義務があります。副業として受けている人も対象になり得ます。
以下は公正取引委員会の公式サイトを2026年8月8日に確認した内容です。法律の解釈は個別事情で変わるので、実際のトラブル時は専門の窓口に相談してくださいね。
取引条件の明示|書面か電子データで8項目
公正取引委員会の解説には、業務委託をした場合「直ちに書面または電磁的方法(メール、SNSのメッセージ等)で取引条件を明示しなければなりません。口頭で伝えることは認められません」と書かれています。
明示すべき事項として挙げられているのは次の8つです。
- ①発注事業者・フリーランスの名称
- ②業務委託をした日
- ③給付の内容
- ④給付を受領する期日/役務の提供を受ける期日
- ⑤給付を受領する場所/役務の提供を受ける場所
- ⑥検査完了期日(検査をする場合のみ)
- ⑦報酬の額および支払期日
- ⑧報酬の支払方法に関すること(金銭以外の方法で支払う場合のみ)
実務的に大事なのは、メールやSNSのメッセージでも明示として認められるという点です。公式のQ&Aにも「電子メール、チャットツール、SMSを用いて送信する方法」が挙げられています。契約書という重い形にこだわらなくていいんですよ。
ただしSNSのタイムラインに書くのは認められないと明記されています。特定の相手に届くダイレクトメッセージ形式であることが条件です。
報酬の支払期日|受領日から60日以内
公式サイトには「報酬の支払期日は発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で定め、定めた支払期日までに報酬を支払わなければなりません」と書かれています。
Q&Aを読むと、起算日についても細かく整理されていました。情報成果物の作成委託の場合、電子メール等でデータを受領したなら「発注側のパソコン等に記録された時点」が起算日になります。動画データを納品した瞬間からカウントが始まる、ということですね。
おもしろかったのが、支払期日の「書き方」です。公正取引委員会のフリーランス法特設サイトでは、発注側がやりがちな例として「報酬の支払期日を『翌月10日まで』と曖昧な記載をしてしまったことがある…」という項目がわざわざ立てられています。「◯日まで」という書き方は、いつ支払われるのかが特定できない曖昧な記載として扱われているわけです。
同じ特設サイトには、「フリーランスから請求書の提出がないので支払期日を過ぎてしまったことがある…」という項目も並んでいます。請求書の未提出を理由に支払いが遅れるのは、発注側が気をつけるべきこととして整理されている、と読めます。
振込手数料を報酬から引くのは「減額」にあたる
これは知らない人が多いと思うので書いておきます。公式のQ&Aにこう書かれていました。
「金融機関口座へ振り込む方法を採る場合、特定受託事業者との合意の有無に関わらず、特定受託事業者の金融機関口座に報酬を振り込む際の手数料を特定受託事業者に負担させ、振込手数料を報酬の額から差し引くことは、報酬の減額として本法上問題となります」
「合意の有無に関わらず」と書かれているのがポイントです。事前に了承していたとしても問題になり得る、という整理になっています。
ちなみに、クラウドソーシング各社が引いている振込手数料はこれとは別の話です。発注者から受注者への直接の支払いと、プラットフォーム利用料は仕組みが違うので、混同しないようにしてください。
7つの禁止行為も覚えておくと守りになる
1か月以上の業務委託の場合、発注側には7つの禁止行為が定められています。公式に挙げられているのは次のとおりです。
- ①受領拒否 ②報酬の減額 ③返品 ④買いたたき
- ⑤購入・利用強制 ⑥不当な経済上の利益の提供要請 ⑦不当な給付内容の変更・やり直し
動画編集で関係が深いのは⑦です。「フリーランスに責任がないのに、費用を負担せずに、給付の内容を変更させたり、受領後にやり直させたりして、フリーランスの利益を不当に害すること」と定義されています。修正無制限の要求に、法律側の線引きがあるわけですね。
それから、6か月以上の業務委託を途中で解除する場合は、少なくとも30日前までに書面・ファクシミリ・電子メール等で予告する義務があるとされています。継続案件を受けている人には効いてくる部分です。
独立して本格的に案件を受けるつもりなら、開業まわりの手続きも合わせて把握しておくと安心です。そのあたりは動画編集でフリーランス独立する手続きの記事にまとめています。
トラブルが起きたときの相談先も公開されています。
公正取引委員会のサイトには、フリーランス法の違反申出窓口が用意されています。また第二東京弁護士会が運営する「フリーランス・トラブル110番」という無料相談窓口も、公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁が連携する形で案内されています。1人で抱え込む前に、公的な窓口があることだけ覚えておいてください。
公式:jftc.go.jp/fllaw_limited.html
7. 【実体験】僕が動画編集の案件を単価2万円から10万円に上げるまでにやったこと
僕の1件目の映像案件は単価2万円でした。そこから3年で1案件あたり最低10万円になるまでに、やったことは3つだけです。

クラウドソーシングでバリバリ実績を積んで、みたいな話ですか?
いえ、正直に書いておくと逆なんですよね。僕の場合は紹介と直依頼が主軸で、クラウドソーシングを主戦場にしてきたわけではありません。だから前半で書いた手数料や提案文の話は、公式情報と、周りの編集者から聞いた話をもとにした一般論として読んでください。
そのうえで、単価が上がった過程は再現性のある部分があると思うので、そこを共有します。
2023年、貯金300万円が消えた年に1件目が来た
時系列を先に書きます。僕は2015年にドラマの制作進行として映像業界に入り、2016年からCGプロダクションで3DCGをやっていました。2021年にCG制作で独立して、副業でYouTubeアニメの制作進行やディレクションもしていました。
それが2023年、好調だったCG案件が全滅して、貯金300万円がほぼゼロになりました。「もうダメかもしれない」と本気で思った時期です。
そのタイミングで、はじめての映像制作の依頼が来たんです。単価2万円。それでも本当に嬉しくて、迷わず引き受けました。
今の相場感で言えば、2万円は決して高くない。でも、あのとき「安いから断る」を選んでいたら、そのあとの3年はなかったと思っています。1件目の単価は、そこまで気にしなくていいというのが実感です。
やったこと①ジャンルを1つに絞った
2024年に実写MVの依頼が入るようになって、「風景×リリック」という方向に絞りました。それまではCGも実写も何でも受けていたんですが、1つの型を打ち出したら、その型で名前を思い出してもらえるようになったんです。
これは前半で書いた「紹介されやすい人=説明しやすい人」の話と同じですね。何でも屋は、誰の記憶にも残りにくいんです。
やったこと②需要が増えた領域に技術を寄せた
2025年になって、VJやライブ演出の映像依頼が急に増えました。そこでAfter Effectsを本格的に学び直して、3ヶ月で大型のコンテンツを受注できるようになりました。
ここでのポイントは、「学びたいもの」ではなく「相談されている内容」に技術を寄せたことです。相談が来ているということは、需要がそこにあるということ。学習の方向を市場側から決めると、投資回収が速いんですよね。
やったこと③受けられる量に上限を作った
もともと僕は、映像案件をPMとして他のクリエイターに振っていました。それが案件が増えすぎて、ついに自分でも作るようになった、という順番です。
そのなかで気づいたのが、受けられる本数に上限を決めると、自然に単価が上がっていくということ。全部受けていると、時間がなくなって高い案件を断ることになるんです。逆になるんですよね。
いまは1案件あたり最低10万円、月5本というラインで回しています。CGと映像の二刀流で、ゲーム関連の仕事も継続中です。
ただ正直に言うと、この上限設定は実績がある程度たまってからでないと機能しません。1件目〜10件目くらいの段階では、まずは数を受けて経験値を積むほうが早いです。順番を間違えないでくださいね。
8. 動画編集の案件獲得を早めたい人にスクールという選択肢はアリか
動画編集の案件獲得そのものは、独学でも十分に届きます。スクールが効くのは「時間を金で買いたい」場合に限られます。
まず正直なところを書いておくと、この記事に書いた内容を実行するだけなら、追加でお金を払う理由はありません。案件の探し方も提案文の書き方も、無料の情報で足ります。
僕自身、2023年から実写を実務の中で覚えてきました。手を動かして、詰まって、調べて、また動かす。この繰り返しがいちばん速いというのは、今も変わらず思っています。
それでも検討する価値がある2つの状況
ただ、次の2つに当てはまる人は、話が変わってきます。
- ①Adobe Creative Cloudをこれから契約する、または更新が近い人:ソフト代は動画編集を続けるかぎり毎年かかります。教材とセットになった形のほうが、結果的に安く済むことがあります
- ②学習の順番を自分で組めない人:何から手をつけるか決められずに半年止まっているなら、カリキュラムを買うのは合理的な判断です
ソフト代と学習をまとめる考え方でよく名前が挙がるのが、デジハリ・オンラインスクールの「Adobeマスター講座」です。2026年9月9日に公式ページで確認し、2026年10月2日に再確認した内容をもとに書いておきます。
デジハリ・オンラインスクール「Adobeマスター講座」
受講料:通常68,800円(税込・Adobe CCライセンス1年ぶんを含む)。時期によりセールで割引されることがあり、2026年9月には「9月30日まで5%OFF」として期間限定65,360円(税込)が表示されていましたが、2026年10月2日の確認時点では通常価格のみの表示でした(セールの期限や金額は入れ替わるため、実際の適用額は申し込み画面で確認するのが確実です)
受講期間:全3ヶ月
付属:Adobe Creative Cloud(学生・教職員版)ライセンス1年分
販売元:デジタルハリウッド株式会社
公式:online.dhw.co.jp/course/adobe/
公式ページには、動画教材の内容としてIllustrator・Photoshop・Dreamweaver・Premiere Pro・After Effectsの基礎が並んでいます。映像に特化した講座ではないので、「編集を深く学ぶため」に選ぶとミスマッチになります。
また公式に、2024年12月以降にAdobe社の利用規約が変更され、教育ライセンス版の購入は1回限りになったという注意書きがあります。申し込み前に、価格・条件・付属内容を必ず公式ページの最新表示で確認してください。セール価格は期間で変わります。
スクールが合う人・合わない人
- 合う人①:Adobe CCの契約タイミングが近く、ソフト代と教材をまとめたい人
- 合う人②:期限があると動けるタイプ。受講期間という締切が学習の推進力になります
- 合う人③:本業が忙しく、教材を探す時間そのものを削りたい人
- 合わない人①:すでに案件を受けている人。その段階でお金をかけるなら、機材か素材サービスのほうが効きます
- 合わない人②:「受講したら案件を紹介してもらえる」を期待している人。案件保証を前提に選ぶのは危ないです
- 合わない人③:独学で問題なく進められている人。今のやり方で手が動いているなら、そのままで大丈夫です
他のスクールも横並びで見たい人は動画編集スクールを比較した記事、この講座そのものを詳しく調べた内容はデジハリのAdobeマスター講座を調べた記事にあります。合わないと思ったら、独学のままで問題ないですよ。
毎回つまずくなら、基礎を通しで学ぶ方が早いこともある
やり方はこの記事で足ります。ただ「設定の意味が分からないまま進めている」状態が続くなら、一度体系的に学ぶ方が結果的に速い。デジハリ・オンラインは、申込前に個別相談会(無料・オンライン)で必要な範囲を相談できます。
無料の個別相談を予約する(デジハリ・オンライン)9. よくある質問|動画編集の案件についてのFAQ
動画編集の案件についてよく聞かれる質問をまとめます。公式で裏が取れていない部分は、その旨を明記します。
Q1. 未経験でも動画編集の案件を受けられますか?
受けられます。クラウドソーシングやスキルマーケットには、実績を条件にしていない募集が普通にあります。
ただし「未経験でも見せられる制作物」は用意しておいたほうがいいです。実案件でなくても構いません。自主制作を1〜2本、募集ジャンルに近い形で作っておくだけで、提案の説得力がまるで変わります。
作り方は動画のポートフォリオの作り方の記事にまとめているので、そちらを見ながら1本作ってから応募してみてください。
Q2. 動画編集の案件は何件くらい応募すれば通りますか?
この数字については、各社が公式に発表している応募数と受注率の統計を、今回の調査では見つけられませんでした。なので断定はできません。
周りの編集者から聞いている範囲では、実績ゼロの状態だと20〜30件出して1件、というあたりの感覚が多いようです。5件や10件で判断せず、最低でも20件は出してから提案文を見直すくらいのつもりで臨むといいと思います。
Q3. 手数料を避けるために、直接契約に切り替えてもいいですか?
これはやめておいてください。クラウドソーシング上で知り合った相手と、規約に反する形でサービス外の直接契約に移るのは、アカウント停止などのリスクがあります。
各社の利用規約に条件が定められているので、切り替えを考えるなら、まず利用しているサービスの規約を読んでください。手数料を削るより、単価を上げるほうが安全で効果も大きいです。
単価を上げる方向の話は動画編集の単価相場と交渉の記事にまとめています。
Q4. 会社員の副業でも、フリーランス法の対象になりますか?
なり得ます。公正取引委員会のQ&Aには、「ある事業者から労働契約に基づき雇用されている労働者であっても、副業で他の事業者から業務委託契約に基づき業務を受託している場合は、他の事業者から受託している業務を行う範囲においては『特定受託事業者』に該当し得ます」と書かれています。
つまり会社員として働きながら副業で動画編集の案件を受けている場合も、取引条件の明示や60日以内の支払いのルールが適用され得るということですね。
ただし個別の該当性は状況によります。判断に迷う場面では、公正取引委員会の相談窓口や「フリーランス・トラブル110番」を使ってみてください。
Q5. 動画編集の案件だけで月20万円は目指せますか?
ルート次第です。クラウドソーシングの単価帯だけで月20万円を作ろうとすると、単価1万円なら月20本。副業の稼働時間では現実的に厳しい本数になります。
焦らなくて大丈夫ですよ。だからこそ、この記事で書いた「①②で実績を作って、③④⑤へ移す」という順番が効いてきます。同じ作業量でも、ルートを変えるだけで手取りが数倍になることがあるのが動画編集の案件の面白いところです。
ただし、これは成果を保証する話ではありません。ジャンル・地域・稼働できる時間で結果は変わります。あくまで構造の話として読んでもらえたらうれしいです。
- 動画編集の案件は「クラウドソーシング/スキルマーケット/SNS/直営業/紹介」の5ルート。スピードと単価はトレードオフの関係にある
- 未経験の1件目はクラウドソーシングかスキルマーケットから。実績を作って、SNS・直営業・紹介へ軸足を移すのが基本設計
- 手数料は2026年8月時点で、クラウドワークスが10万円以下の部分20%、ランサーズがランサー側16.5%(税込)、ココナラが22%(税込)
- 提案文は「募集内容の理解/近い制作物1本/稼働条件の数字/修正回数」の4要素を上から並べる
- 受注前に取引条件を書面か電子データで残す。報酬の支払期日は受領日から60日以内で、具体的な日付で定める
- 手数料率・受講料は改定されるので、判断の直前に公式ページの最新表示を確認する
動画編集の案件は、才能で決まる世界ではないと思っています。どこに案件があるかを知って、正しい順番で通れば、未経験からでもちゃんと届く。僕自身、貯金が尽きた年に来た単価2万円の1件から始まっていますからね。
まずは今週中に、募集を20件ざっと眺めて、そのうち3件に提案文を送ってみてください。そこからしか始まりません。一緒に、映像で食べていける側に行きましょう。
