Log素材のグレーディング完全手順|S-Log/V-Log/Log-C を映画的MVに仕上げる

Log素材って眠い色だけど、どう仕上げればいい?
Log グレーディングは映画的MV制作の核心スキルですよね。Log撮影は階調情報を最大限残せる代わりに、撮ったままだと低コントラストで眠い色。ここから劇的に化けさせる工程が、いわゆる「Log グレーディング」というやつなんですよ。
結論を先に言うと、Log グレーディングの基本は「正規化→1次補正→2次補正→ノイズ処理」の4ステップ。S-Log/V-Log/Log-Cどのフォーマットでも、この流れさえ守れば案件納品レベルに到達できますよ。
今回はLog グレーディングをDaVinciを軸に実用ワークフローで解説。MVクリエイター・シネマティック動画編集者向けの実践ガイドです。
- Log素材とは何か(S-Log/V-Log/Log-C)
- 正規化(LUT適用)の基本手順
- 1次補正・2次補正の実用フロー
- Log素材のノイズ処理と落とし穴
Log グレーディングとは|眠い素材を映画的に仕上げる工程

Log グレーディングは「Logガンマで撮影した低コントラスト素材を、視聴用の最終ルックに仕上げる」カラグレ工程。Log撮影はダイナミックレンジ(明暗の幅)を広く保てる分、撮ったままだとフラットで眠い見た目になります。
主要Logフォーマット3種
代表Logフォーマット
① S-Log3|Sony α7S/FX3/FX6/FX9 で採用
② V-Log|Panasonic GH/S/EVA1 シリーズ
③ Log-C|ARRI Alexa/AMIRA(映画業界標準)
④ F-Log|FUJIFILM X-H/X-T シリーズ
⑤ Canon Log|EOS R5C/C70/C300 等
Log グレーディング STEP1|LUT適用で正規化

Log グレーディングの第一歩は「正規化LUT」を当てて眠いLog素材をRec.709の見やすい状態に戻すこと。これがないとカラグレ作業の判断ができないんですよね。
DaVinciでのLUT適用
DaVinciのColorページで「LUTライブラリ→S-Log3 to Rec.709(または公式変換LUT)→ノードへドラッグ」。1ノード目で正規化を当てて、以降のノードで微調整するのが鉄板パターンです。
CST(Color Space Transform)の選択肢
LUTより精度を求めるならDaVinci標準OFX「Color Space Transform」で数値変換を使う方法もあります。Studio版限定ですが、案件納品で色精度が問われる時はこちらが安全ですよ。
Log グレーディング STEP2|1次補正で素材の土台作り
正規化が終わったら「1次補正」で全体の露出・WB・コントラストを整える工程。Log素材は階調情報が豊富なので、ここで大胆に動かしても破綻しにくいのが特徴。
Lift/Gamma/Gain ホイール
DaVinciのプライマリ補正で「Lift(暗部)・Gamma(中間)・Gain(明部)」の3つの輝度ホイールを動かして全体を整える。Logは黒締めとハイライト圧縮で一気に印象が締まるので、Liftを少し下げてGainを少し上げるのが定番ですよ。
Log グレーディング STEP3|2次補正で色味の方向性決定

1次補正の土台ができたら「2次補正」で作品全体の色味を決める。MV制作なら映画的なルック(ティールアンドオレンジ等)を作り込む工程です。
クリエイティブLUTの活用
2ノード目以降に「クリエイティブLUT」(FilmConvert、Lumetri Looks、Booth配布の有料LUT等)を追加。50〜70%程度の強度で当てて、馴染ませるのが実務的ですよ。100%で当てっぱなしは派手すぎて品がない仕上がりになります。
HSL Qualifierで部分補正
DaVinciのQualifier機能で肌・空・服の特定色域だけ抽出して色味調整。Log素材は色情報が豊富なので、HSL Qualifierの精度が出やすい素材なんですよね。

Log素材で気をつけるべきノイズって?
Log グレーディング STEP4|ノイズ処理と仕上げ
Log素材を持ち上げると暗部にノイズが浮き出てくるのが宿命。Log グレーディングの最後はノイズ処理で見た目を整えます。
DaVinci ノイズリダクション
DaVinci Studio版の「Temporal NR(時間軸ノイズ除去)」と「Spatial NR(空間ノイズ除去)」を組み合わせ。MV制作では Temporal NR を弱め+Spatial NR を中程度で当てると、ディテールを失わずノイズだけ抑えられますよ。
Film Grain追加で質感アップ
ノイズ除去後にDaVinci Film Grain OFX または FilmConvert で意図的にフィルムグレインを追加すると、デジタル臭さが取れて映画的質感に。MV案件で「映画みたいに仕上げて」と言われる時はこの工程が効きますよ。
Log グレーディングの落とし穴と回避策

落とし穴①|露出アンダーで撮ってグレーディング無理
Log撮影で「暗めに撮ってグレーディングで持ち上げよう」は失敗パターン。暗部ノイズが爆発します。Log素材も適正露出で撮るのが鉄則ですよ。
落とし穴②|正規化LUTで色が破綻
純正以外の変換LUTを当てると色が破綻するケースが多い。S-Log3には Sony 公式の S-Gamut3.Cine to Rec.709 LUT を使うなど、メーカー純正の正規化LUTを基本にします。
落とし穴③|H.264素材をLog扱いで編集
Log素材は基本ProResかRAWで撮影。8bit H.264の素材を Log と勘違いしてグレーディングすると、階調情報が足りずにバンディングが出ます。撮影時のコーデックを必ず確認しましょう。
まとめ|Log グレーディングで映画的MVを仕上げる
Log グレーディングは「正規化→1次補正→2次補正→ノイズ処理」の4ステップを守れば案件納品レベルに到達できます。Log素材の階調情報を活かして、映画的なMV仕上げを楽しんでくださいよ。
撮影時の適正露出と純正LUTの選定が結局9割を決めるので、編集前の準備も忘れずに。MV案件でLog素材を扱う機会が増えたら、ぜひ試してみてください。
- 主要Logフォーマット|S-Log/V-Log/Log-C/F-Log/Canon Log
- STEP1|正規化LUTで Rec.709 に戻す
- STEP2|1次補正でLift/Gamma/Gain整える
- STEP3|2次補正でクリエイティブLUT50〜70%
- STEP4|Temporal+Spatial NR でノイズ処理
- 仕上げ|Film Grain追加で映画的質感
