【規約原文】Vrew商用利用はOK?クレジット表記と素材の条件

Vrewで作った動画を、お客さんに納品したりYouTubeで収益化したりしていいのか分からなくて止まってます。規約を開いてみたんですけど「商用利用」って言葉が出てこないんですよね……。

その止まり方、正しいです。僕も同じところでつまずきました。
先に結論から書きますね。Vrewの商用利用は、利用規約の第12条5項で「商業的または非商業的に制限なく利用することができます」と明示的に許可されています。見つからなかったのは、規約が「商用」ではなく「商業的」という語を使っているからです。語が違うだけで、許可そのものは規約本文にちゃんと書いてあるんですよ。
ただ、そこで終わらせると危ないところが何か所かありました。規約が許可しているのは「AIが生成した画像ファイルとオーディオファイル」だけで、Vrewが配っている無料素材やBGMの条件は、規約には1文字も書かれていません。
この記事は、2026年9月18日にVrewの公式ページ・公式の「Vrewガイド」掲示板・公式ヘルプを直接開いて、書いてある文章だけで組み立てたものです。当日の調査で、公式内で食い違っている箇所が9件、公式がどこにも答えていない項目が7件見つかりました。後半でまるごと出します。
この記事の役割も先に線を引いておきます。ここで扱うのは「Vrewで作ったものを、仕事や収益化に使っていいか」という出口の話だけです。
自分が上げた素材がどう扱われるかという入口の話はVrewの危険性を規約から検証した記事に、無料のままどこまで作れるかという範囲の話はVrew無料版の制限と透かしの記事にまとめてあります。3本で入口・範囲・出口を分担している形です。
僕はVrewの実機を持っていません。なので「使ってみたら速かった」「音声の精度が良かった」といった体感の話は、この記事にはいっさい書きません。処理時間や作業効率の数字も、自分で計測していないので出しません。書けるのは、公式の文書に何と書いてあって、文書どうしがどこでズレているかを並べることだけです。
- Vrewの商用利用を許可している規約の条文と、その対象範囲
- クレジット表記が要るのか要らないのか、公式の記述が割れている実態
- AI音声・AI画像・無料素材・BGMの4系統ごとの商用可否
- 受託や法人利用のとき、どのプランを選べと公式が答えているか
- 納品物に使うと引っかかる可能性がある、放送・OTTまわりの禁止事項
- 公式内で食い違っている9件と、公式が答えていない7項目
- 1. Vrewの商用利用は結論からOK|ただし可否は4系統に分かれる
- 2. Vrewの商用利用を規約原文で確認する|第12条5項と第11条2項
- 3. Vrewの商用利用でクレジット表記は要るのか|公式の記述が割れている
- 4. VrewのAI音声は商用利用できるか|332種の内訳とVOICEVOXの例外
- 5. VrewのAI画像・AI動画は商用利用できるか|規約と掲示板の食い違い
- 6. Vrewの無料素材は商用利用できるか|Pixabay・Pexels・GIPHYの3系統
- 7. VrewのBGM・効果音の商用利用|放送とOTTへの送出は禁止されている
- 8. Vrewを仕事で商用利用するときのプラン|法人はビジネスのみという回答
- 9. Vrewの商用利用で公式が答えていない7項目と、食い違っている9件
- 10. Vrewの商用利用を判断する前に、僕が納品物で確認していること
- 11. Vrewの商用利用が合う人・合わない人|納品先で線を引く
- 12. Vrewの商用利用についてよくある質問と、判断のまとめ
1. Vrewの商用利用は結論からOK|ただし可否は4系統に分かれる
Vrewの商用利用は、規約と公式回答を読むかぎり許可されています。ただし「Vrewは商用OK」の一言で片づけると事故ります。動画の中に入れるものごとに、条件がはっきり違うからです。

まず全体像を置きます。Vrewの商用利用は、AI生成物・無料の画像と動画・BGMと効果音・AI音声の4系統に分けて考えると、答えの確かさが一気にはっきりします。
| 系統 | 商用の可否 | 根拠がある場所 |
|---|---|---|
| AI生成の画像・音声 | 制限なく利用できると明記 | 利用規約 第12条5項 |
| 無料の画像・ビデオ | 商用可。ただしGIPHYだけ別扱い | 公式ヘルプの著作権ページ |
| BGM・効果音 | 商用可。送出先に禁止あり | 公式掲示板の著作権案内 |
| AI音声 | 商用可。VOICEVOXだけ表記が要る | 公式ヘルプのAI音声ページ |
| Vrewというソフト自体 | 有料で販売できないと明記 | 利用規約 第11条2項 |
この表で注目してほしいのが、右の列です。4系統のうち、利用規約に書かれているのはいちばん上の1行だけ。あとの3つは、規約ではなく掲示板とヘルプにしか書かれていません。
Vrewの商用利用の答えは、公式サイトの外に置かれている
ここが今回いちばん驚いた部分です。規約とデータの扱いを検証した記事を書いたとき、僕は「無料素材の細かい条件は公式のどこにも見当たらない」と書きました。あのときはvrew.aiのドメイン内だけを見ていたからです。
今回、公式トップのフッターにある「資料室」からリンクされている先まで範囲を広げたら、素材ごとの利用条件は、公式の掲示板「Vrewガイド」と公式ヘルプのページにきちんと書かれていました。前の記事と言っていることが違うわけではなく、探す場所が足りていなかった、というだけの話ですよ。
ここを先に共有しておきます。Vrewの商用利用を自分で確認したいなら、見るべき場所は3つ。利用規約と、掲示板の「Vrewガイド」と、著作権のヘルプページです。料金ページと機能紹介ページには、権利の話はほとんど書かれていません。
2. Vrewの商用利用を規約原文で確認する|第12条5項と第11条2項
Vrewの商用利用について、契約書にあたる利用規約が何と書いているかを先に固めます。関係する条文は2本だけで、どちらも短いです。
まず許可のほう。利用規約の「12. 利用者の権利」の5項に、こう書かれていました。
「利用者は、本サービスで提供される人工知能機能によって生成された画像ファイルやオーディオファイルコンテンツに関する所有権を有し、商業的または非商業的に制限なく利用することができます。利用者は、これらのファイルの利用によって生じる損害賠償、異議申し立て、損失、または損害などの紛争から当社を免責するものとします。」
(Vrew利用規約より引用)
AI生成物の商用利用を、規約本文で正面から許可しているサービスはそんなに多くありません。「所有権を有し」「制限なく利用することができます」という書き方は、かなり踏み込んだ部類だと思います。
Vrewの商用利用で「対象になっているもの」は2種類だけ
ただ、この条文をよく読むと対象が絞られています。書いてあるのは「画像ファイル」と「オーディオファイル」の2種類だけです。
いまのVrewには、テキストから台本を書く機能も、AIビデオを生成する機能も、AIキャラクターもあります。これらは規約の条文に名前が出てきません。禁止されているわけではなく、単に書かれていない状態です。
もう1点、見落としやすいのが後半です。同じ条文の後ろ半分は、まるごと免責の文になっています。つまり「使っていい」と「トラブルは自分で処理してください」が同じ1文にセットで入っている構造です。ここは読み飛ばさないほうがいいところですね。
Vrewの商用利用で唯一はっきり禁止されている行為
禁止側の条文も1本あります。「11. 利用者の義務」の2項です。
「利用者は、本サービス(Vrew)自体の一部、または全体を有料で販売できません」(Vrew利用規約より引用)。
これはVrewというソフトそのものの転売を禁じる条項で、Vrewで作った動画を売ることを禁じるものではありません。短い文なので誤読されやすいんですが、主語は「本サービス(Vrew)自体」です。
「商用」で検索しても見つからない理由と、語句の実数
2026年9月18日時点の日本語版の規約を、語句で数えた結果を置いておきます。
| 探した語 | 件数 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 商用 | 0件 | この語では1件もヒットしない |
| 営利 | 0件 | 同上 |
| 商業的 | 2件 | 許可はこちらの語で書かれている |
| クレジット | 0件 | 表記義務の記載が規約にない |
| ウォーターマーク・透かし | 0件 | 無料版の透かしも規約外の仕様 |
| 素材・BGM・効果音・フォント | 各0件 | 無料素材の条件は規約の範囲外 |
「Vrew 商用利用 規約」で調べて何も出てこないのは、読者の探し方が悪いわけではありません。規約が使っている語が「商業的」の1語だけだからです。
ちなみに、クレジットという語が0件という事実は料金の話にも効いてきます。いまのVrewは機能の使用量をクレジットで管理する仕組みなのに、その言葉が契約書側に1度も出てこない。金額の側から見た同じズレはVrewの料金と損益分岐をまとめた記事で数字にしてあります。
3. Vrewの商用利用でクレジット表記は要るのか|公式の記述が割れている
Vrewの商用利用でいちばん質問が多いのが、クレジット表記だと思います。ここは公式の書き方が割れていて、ひとことで答えられません。

先に使える形にしておきます。画像・ビデオ・AI生成画像は「著作権の表記は不要」とヘルプに明記。VOICEVOXのAI音声だけはクレジット表記が要る。この2つを押さえれば、実務ではほぼ足ります。
表記が不要だと書かれている側
公式ヘルプの「フリー画像、ビデオ、キャラクターの著作権について」というページに、使用範囲がはっきり書かれています。
VrewのAI画像とキャラクターについては「商用、非商用ともに利用できます。利用の際に著作権の表記は不要です」。PixabayとPexelsのフリー画像・ビデオについても、同じく表記は不要と書かれていました。
掲示板側のビデオ素材の案内でも「別途の出処表記なしで利用可能です」と明言されています。ここは2つの文書で一致していて、迷う要素がありません。
表記が要ると書かれている側
一方で、要ると書いてある記述も2か所あります。
1つ目は、公式ヘルプの「VOICEVOXの表記法を教えてください」というページ。「VOICEVOXの音声は使用時クレジット表記必要と書かれております」とあり、書き方まで指定されています。概要欄やタイトルに「VOICEVOX:〇〇」と入れる形です。
同じページには逃げ道も書かれていて、「クレジット表記必要と書かれていない音声は表記が必要ありません」。Vrewの画面上でその音声に表記が要るかどうかを確認できる仕組みになっているという説明です。
2つ目は掲示板の運営コメントです。2024年7月15日の回答で、法人が無料プランを使う場合について答えたあと、「クレジット表記の方もよろしくお願いします」と添えられていました。何のクレジットなのかは書かれていません。
割れている状態で、どう判断するか
規約は0件、ヘルプは「不要」、掲示板の一部コメントは「お願いします」。3つの文書で3通りの温度差があるのが2026年9月18日時点の状態です。どれが優先するかを決める記述は、公式のどこにもありませんでした。
VOICEVOXの音声を使った動画だけは、概要欄に表記を入れる。それ以外は入れなくても公式の記述上は問題ない。
そのうえで、他人の名義で公開する納品物なら、素材の出どころを1行だけ書いておくほうが揉めにくいと思います。表記を入れて損することはまずないので、迷ったら入れる側に倒すのが早いですよ。
4. VrewのAI音声は商用利用できるか|332種の内訳とVOICEVOXの例外
VrewのAI音声は商用利用できます。公式ヘルプのAI音声ページに、収益化まで名指しで書かれていました。ただし数の表記が公式内でバラバラで、VOICEVOXという例外もあります。
ヘルプの「AI音声の著作権に関するご案内」には、こうあります。「商業目的・非商業目的を問わず自由にご利用いただけます。AI音声で作った動画でYouTubeの収益化することもできます」。
根拠も書かれていて、GoogleのTTSエンジンとNaver CLOVA、それにVrewが自社開発したTTSの3種類で音声を作っていて、Google・Naverとは契約を締結して正式に提供している機能だから、という説明でした。
AI音声の種類数が公式内で5通りある
| 書かれていた場所 | AI音声の数の表記 |
|---|---|
| 公式トップの上部 | 500以上のAIボイス |
| 公式トップの中ほど | 5ヶ国語、約200+種 |
| 公式ヘルプのAI音声ページ | 6か国語、332種類以上 |
| 日本語ページの共有用の説明文 | 30種以上のAI音声 |
| 英語ページの共有用の説明文 | over 20 AI voices |
同じ会社の同じサイトの中で、数字が5通り並んでいる状態です。ヘルプページの332という数字は内訳表の合計と一致していたので、少なくとも計算はされています。ただ、そのページの更新日は2023年2月と書かれていました。
日本語のAI音声に限ると、その表では20種類でした。500という数字と20という数字のどちらを見て判断するかで、期待値がまるで変わってしまうんですよね。
AI音声の商用利用で唯一の例外がVOICEVOX
ここが実務でいちばん危ない場所だと思います。AI音声の著作権ページには、VOICEVOXという言葉が1度も出てきません。
つまり、そのページだけを読むと「AI音声は全部フリー」と理解して終わります。ところが掲示板では、2024年11月25日の運営コメントで、「Vrewのプログラムは有料・無料関係なく商業利用が可能です。しかし、VOICEVOXの音声を使用する際にはご注意ください」と注意喚起されていました。
VOICEVOXの音声は、話者ごとに利用条件が違います。同じコメントでは、特定の話者の商業利用について例示があり、別の著作権案内のページを見るようにという誘導が付いていました。
ここを整理するとこうです。VrewのAI音声は原則として商用OK。ただしVOICEVOX系の話者を選んだときだけ、話者ごとの条件とクレジット表記を自分で確認する。ナレーション部分を外注に回すのではなく自分で選ぶ人ほど、ここは効いてきます。
AI音声を使うかどうか以前に、文字起こしの部分だけ使いたい人も多いと思います。その手順はVrewの文字起こしのやり方をまとめた記事のほうに書いてあります。
5. VrewのAI画像・AI動画は商用利用できるか|規約と掲示板の食い違い
VrewのAI画像は商用利用できます。物販への利用まで公式が認めています。ただしその許可の「強さ」が、規約と掲示板で明らかに違いました。ここが今回いちばん気になった食い違いです。
まず掲示板側。2024年6月20日に、AI生成画像でLINEスタンプを作って販売したいという質問が出ていて、運営がこう答えています。「『AI画像』ボタンで生成された画像はすべて商業利用が可能です。Tシャツを作って販売する、ラインスタンプ等、商用利用と見なすので活用できます」。
同じ回答の後半で、規約とぶつかっている
「ただし、生成されたAI画像につきましては商用利用が可能というわけで、著作権や配布権を与えるのではありません」。さらに「第三者との著作権関連の問題が発生した際にはvrew側では対応方針がまだ決まってないので責任を負えない可能性が高いのでご注意ください」と続きます。
一方で規約は、同じAI生成画像について「所有権を有し」と書いています。所有権を持つと書く文書と、著作権は与えないと書く文書が、同じ会社の中に並んでいる状態です。
AIビデオとAIキャラクターは、どちらの文書にも出てこない
AIキャラクターについては、ヘルプの著作権ページに「VrewのAI画像とキャラクター」として商用・非商用ともに利用でき、表記も不要と書かれていました。ここは拾えます。
残るのはAIビデオと、AIで書いたテキストです。この2つだけは、当日の調査では商用可否を明記した記述を見つけられませんでした。禁止されているわけではなく、書かれていないという状態なので、そこを使って売るつもりなら先に問い合わせるほうが早いと思います。

書いてない項目があると、それだけで使うのが怖くなるんですけど……。書いてないなら避けたほうがいいってことですか?

いえ、そうは思いません。書いていないのは「危ない」の証拠ではなく、自分で確認してから使う欄に入れる、というだけの話です。確認して答えが出れば使えますし、答えが出ない用途だけ外せばいい。そういう仕分けをしていきましょう。
6. Vrewの無料素材は商用利用できるか|Pixabay・Pexels・GIPHYの3系統
Vrewの無料素材は商用利用できます。ただし出どころが3系統あって、そのうち1つだけが非商用です。ここを知らずに使うと、いちばん静かに事故ります。

公式ヘルプの著作権ページに、提供ソースが明記されています。画像とビデオはPixabayとPexels、動くGIFはGIPHY、そしてAI生成画像はVrew自身とStable Diffusion XLです。
| 出どころ | 商用 | 著作権の表記 |
|---|---|---|
| Pixabay・Pexels(画像・ビデオ) | 利用できる | 不要 |
| VrewのAI画像・キャラクター | 利用できる | 不要 |
| GIPHY(動くGIF) | 非商用で利用できる | 記載なし |
GIPHYだけが、Vrewの商用利用から外れている
ヘルプページの使用範囲の欄に、GIPHYのGIFだけ「非商用で利用できます」と書かれています。他の素材が「商用、非商用ともに」なのに、ここだけ言い切りが変わっています。
掲示板にも専用の投稿があって、こう説明されていました。GIPHYは一般的に個人および非商業的用途での使用を推奨していて、商業的用途で使う場合には著作権的な問題が発生する可能性は存在する。そして、「VrewもGIPHYポリシーに従っているため、使用できるように提供はするが、選択はユーザーの方々がされる部分であり、関連問題発生に対する責任を負うことはない」と。
ここは注意してほしいところです。Vrewの素材パネルの中に、商用で使えないものが混ざって並んでいるという構造になっています。素材を選ぶ画面では区別されないので、GIPHYのタブを開いているかどうかは自分で意識しておきたいところですよ。
公式トップには「著作権侵害の心配がない動画の素材をまとめて」「商用目的の動画にも著作権を心配せずに安心してご利用になれます」と書かれています。GIPHYを含めて読むと、この2文は言いすぎになっています。
無料素材の商用利用で、もっと引っかかりやすい条件
GIPHY以外にも、ヘルプページと掲示板には細かい禁止事項が並んでいました。案件で効きそうなものを拾います。
- 著作権はVrewではなく、素材を実際に作った原著作者にあると明記されている
- 変更されていない元のままのコンテンツを、販売または配布することはできない
- 一般的に認識可能な顔・商標・ロゴ・ブランドが含まれる素材は、商用目的で使用できない
- モデル・商標・ブランドのある映像を、製品の宣伝手段として使うことはできない(商品レビュー、サービス体験など)
- 名所や公共の建物が写る映像は、商標権を侵害しない範囲でのみ商業的に販売できる
4つ目、けっこう重いと思います。商品レビュー動画やサービス紹介動画に、人物が写ったフリー素材を差し込むのは、公式の記述上は外れる読み方になります。案件でいちばん出てくるジャンルなだけに、ここは知っておいて損がないですよ。
そのうえで、救いになる一文も書かれています。「Vrewで動画編集のためにコンテンツを挿入し、動画をエクスポートした場合は問題ありませんので、安心して使用してください」。動画の中に溶かして使うぶんには広く認められていて、引っかかるのは素材を素材のまま外に出す使い方、という線引きです。
最後に免責も付いています。ガイドラインに違反して問題が発生した場合、Vrewはいかなる責任も負わず、規定を違反した当事者に全責任がある、と。Vrewの立場は一貫して「使える場は用意する。判断と責任は使う側」です。
7. VrewのBGM・効果音の商用利用|放送とOTTへの送出は禁止されている
VrewのBGMと効果音も商用利用できます。YouTubeでの収益化まで明記されています。ただしここには、受託の仕事をしている人ほど引っかかる禁止事項が並んでいました。
掲示板の著作権案内によると、VrewはMewpotという制作会社の音源と自社提供音源を合わせて、約340曲のBGMと1,000種類の効果音を提供していて、正式な契約または自社制作なので商用・非商用を問わず自由に使える、という説明でした。
ちなみにこの投稿は、タイトルの末尾に更新日が入っていて、2026年2月2日でした。今回見た素材ライセンス系の文書の中で、いちばん新しい1本です。公式トップに書かれている「200個のBGM」という数字とは合っていませんでした。
できると明記されている使い方
- YouTubeやVimeoなどの動画プラットフォームへのアップロード
- その動画で、プラットフォームが提供する方式で収益を出すこと
- ゲーム内のストーリー動画としての利用
- 個人の展示会を開いて収益を出すこと
禁止されている使い方が、納品物の種類を選ぶ
- 動画の音の情報だけを、ウェブサービスを通じてデジタル音声送信すること
- 動画の音の情報だけを販売・共有すること
- 音源のみを抽出して使用・再販売・二次加工・再配布すること
- 長さ・音量・再生速度以外の変形をすること
- 地上波、IPTV、衛星放送、ラジオ、OTTへ送出すること
下の2つ、映像の仕事をしている人にはかなり重い条件です。
まず変形の制限。長さ・音量・再生速度以外はいじれないので、ピッチを動かしたり、フィルターをかけて別曲のように作り変えたりするのは外れます。MVの現場だと素材を加工して馴染ませるのが当たり前なので、ここは感覚がずれやすいところですね。
そして送出先。地上波・IPTV・衛星放送・ラジオ・OTTに出せないと明記されています。テレビCM、BSやCSの番組、そして定額制の配信サービス向けの納品では、VrewのBGMは使えない読み方になります。
逆に言うと、YouTube・SNS・社内向け・イベント上映といった行き先なら、公式の記述の範囲にきれいに収まります。納品先がどこかで答えが変わる、という覚え方でいいと思います。
YouTubeで著作権の通知が来たときの公式の説明
もう1本、知っておくと落ち着ける投稿がありました。VrewのBGMを使った動画に、YouTubeから著作権の通知が来るという相談への回答です。
公式の説明はこうでした。第三者が音源を自分のものだと虚偽申告する事例があったので、音源制作会社側が先回りしてYouTubeに登録している。そのため所有者としてMewpotや別の音楽会社の名前が表示されることがあるが、収益の発生には影響せず、著作権者と収益が分配されることもない、と。
登録が終わっていない曲だと通知が来ることがあるものの、最低10分から最長24時間以内に解決すると書かれています。その間は動画を非公開にして待つ、という案内でした。
別のプラットフォームでは事情が違うようで、2024年10月の運営コメントには、TikTok側の仕様で1分以上の音声を乗せていると著作権の制限に引っかかる場合があるという連絡を受けた、という記述もありました。こちらは解決までの目安が書かれていません。
8. Vrewを仕事で商用利用するときのプラン|法人はビジネスのみという回答
Vrewの商用利用で、素材の話と同じくらい大事なのがプランです。法人・企業・機関・団体は、規模に関わらずビジネスプランのみ利用可能と公式が明言しています。

本文によると、条件は2023年7月5日に変わっています。それ以前は5人未満の企業ならすべてのプランを使えたのが、以降は法人なら規模を問わずビジネスプランになりました。
すでにライトやスタンダードを払って使っている法人は変更の影響を受けない、とも書かれています。ただし「現在のプランを解約してから再度決済をする際には新しいポリシーが適用される」ので、いったん止めると戻れません。
フリーランスの受託は、ライトかスタンダードでいいと書かれている
掲示板に、まさにその質問がありました。個人でライトを契約していて、主な用途は個人のSNS投稿だけれど、法人から動画制作の案件を請け負う場合はどうなるのか、という内容です。
2025年1月6日の運営の回答が、これ以上ないくらい端的でした。
「フリーランス形式で報酬を受け取り作業される場合:『ライト』または『スタンダード』プランでも問題ありません。企業に所属し請求する場合:企業名義で『ビジネス』プランをご購入いただく必要があります」。
個人で受けて個人で請求するならライト以上でよく、会社として請求するならビジネス。判断の軸は「誰が費用を払うか」と「誰の名義で請求するか」だという整理です。
この線引きの根拠になっているのが、2023年7月28日の別の回答です。「法人が費用を負担するか、法人の目的でソフトを使用するか、どちらかに該当される場合は法人での使用になり、ビジネスプランを利用する必要があります」。そのうえで「機能やセキュリティの違いはありません」とも書かれていました。
この最後の一文、料金プランを比べた記事で「個人で使う範囲だとビジネスの価値は出にくい」と書いたことと、きれいに噛み合います。ビジネスプランは機能で選ぶものではなく、立場で選ぶものということですね。
無料プランのまま仕事に使えるのか
これも回答があります。2024年7月15日、法人が無料プランでYouTubeに上げていいかという質問に対して、「法人でも無料使用量の範囲以内での使用であればご利用いただけます」と答えています。
そしてもう1つ、無料プランには透かしが入ります。納品物として渡すなら、権利の話より先に透かしで詰むので、そこは別問題として押さえておいてください。詳しくは無料版の制限をまとめた記事のほうに書いています。
ビジネスプランの同時利用については、ポリシー上は人数制限を設けていないものの、1アカウントあたり3人以下を推奨という回答もありました。チームで入れるなら、ここも確認どころですよ。
9. Vrewの商用利用で公式が答えていない7項目と、食い違っている9件
ここまでで、Vrewの商用利用について答えが出る論点はだいたい埋まりました。残りを全部出します。当日の調査で、公式内で食い違っていた箇所が9件、公式が答えていない項目が7件です。
公式内で食い違っている9件
| 争点 | 片方の記述 | もう片方の記述 |
|---|---|---|
| AI生成画像の権利 | 規約「所有権を有し」 | 掲示板「著作権や配布権を与えるのではありません」 |
| 無料素材の使用権 | トップ「著作権を心配せずに」 | 規約「サービスコンテンツに対する如何なる使用権も付与しない」 |
| GIPHYの商用 | トップ「著作権侵害の心配がない素材」 | ヘルプ「非商用で利用できます」 |
| クレジット表記 | ヘルプ「表記は不要」 | 掲示板「クレジット表記の方もよろしく」 |
| AI音声の数 | トップ「500以上」 | ヘルプ「332種類以上」ほか計5通り |
| BGMの曲数 | トップ「200個のBGM」 | 掲示板「約340曲のBGM」 |
| フォントの数 | トップ「100個のフォント」 | ヘルプ「約110種類」 |
| 規約の付則の日付 | お知らせ2023年3月23日 | 適用2020年4月24日(告知より前) |
| 配布中のバージョン | トップと規約のページは4.6.0 | データ保護と方針のページは4.5.1 |
規約の付則の日付の件は、前に書いた規約の読み込み記事でも触れました。当日も同じ状態のままでした。規約の最新の適用日は2024年5月7日で、個人情報処理方針は2026年5月28日適用。文書によって手入れの頻度がはっきり違います。
公式が答えていない7項目
- AIが書いたテキスト(台本・要約)を商用で使えるか。規約の条文に名前がない
- AIビデオを商用で使えるか。同じく規約にも掲示板にも記述が見当たらない
- 画像や動画の素材を、Vrewの外の編集ソフトに持ち出して使えるか。BGMは禁止が明記されているが、画像側は「別途配布の禁止」しか書かれていない
- クレジット表記の要否が文書ごとに違うとき、どれが優先するか
- 受託制作でのプランの線引きが、なぜ公式サイト側に書かれていないのか
- GIPHYを商用で使ってしまった場合に、実際に何が起きるのか
- 素材の案内ページの更新日が古いまま(AI音声は2023年2月、フォントは2023年3月)で、現行版と一致しているのか
3つ目、実務でいちばん出てくるやつです。Vrewの無料素材を落として、本編集の側で使いたいという場面の可否が、公式のどこにも書かれていません。BGMのほうははっきり禁止なので、そこから類推して避けるのが無難ですよ。
そして全体に共通する前提がもう1つ。規約の第15条には、この規約は韓国語を原本として作成され、紛争は大韓民国の法律で規律されると書かれています。ここで読んできた日本語の文面は、最終的には翻訳という位置づけになります。
さらに、いちばん強い許可の根拠になっている掲示板コメント(2023年5月9日の「Vrewを利用して制作した映像は、商業的に制限なく使用することができます」)には、冒頭に「このコメントは自動翻訳で翻訳されました」という注記が付いていました。原文がどう書かれていたかは、読み手には分かりません。
10. Vrewの商用利用を判断する前に、僕が納品物で確認していること
ここからは僕自身の話です。MVの仕事で外部ツールの規約が納品物に絡むとき、毎回どこを確認しているかをそのまま書きます。
Vrewを触った話ではありません。ただ、Vrewの商用利用を自分で判断するときにも、そのまま使える部分だと思います。
確認1:納品先がどこまで行くのかを先に聞く
これがいちばん効きます。MVって、YouTubeに上げて終わりのつもりだった案件が、途中から「サブスクの配信にも出す」「会場のビジョンでも流す」と広がることがあるんですよね。
Vrewの場合、まさにここで条件が変わります。BGMの案内には、地上波・IPTV・衛星放送・ラジオ・OTTへの送出ができないと書かれている。YouTube止まりなら問題なく、配信サービスに乗る可能性があるなら別の音源を選ぶ、という分岐になります。
なので僕は、素材を選ぶ前に「これ最終的にどこまで出ますか」と1行だけ聞くようにしています。制作が進んでから差し替えるほうが、よっぽど高くつきますからね。
確認2:素材の出どころを、プロジェクトの中でメモに残す
Vrewについて言えば、公式ヘルプに画像の右上のマークや、ビデオの左上のメニューから、その素材のソースを確認できると書かれています。使う前に見て、プロジェクトのメモに出どころを書いておくだけで、あとから聞かれたときの答えが1分で出ます。
GIPHYかどうかを見分けられるのも、ここです。素材のパネルの中に商用不可のものが混ざっている以上、「どこから持ってきたか」を記録する習慣のほうが、規約を暗記するより速いと思いますよ。
確認3:許可の文と免責の文を、必ずセットで読む
Vrewの第12条5項も、まさにその形でした。前半で商業的に制限なく使えると書いて、後半で紛争から会社を免責する。許可の強さと、トラブル時に誰が立つかは別の話なので、両方を見ないと判断を誤ります。
確認4:判断できない項目は、使わない欄に入れる
公式に書いてある使い方だけで組めるなら、そのまま進める。書いていない使い方が1つでも混じるなら、その部分だけ別の手段に置き換える。
問い合わせて答えをもらうのがいちばん確実なんですが、返事を待つあいだ制作が止まるのは現実的じゃないんですよね。なので僕は、待たずに済む形に設計し直すほうを先にやります。BGMだけ別のライブラリから持ってくる、みたいな小さい置き換えで済むことが多いです。
この4つを通すと、Vrewの商用利用は「全部OK」でも「危ないから避ける」でもなく、行き先と素材の組み合わせで決まるものとして扱えるようになります。
11. Vrewの商用利用が合う人・合わない人|納品先で線を引く
ここまでの内容を、判断できる形に落とします。Vrewの商用利用が合うかどうかは、スキルや予算ではなく作ったものの行き先で決まります。
Vrewの商用利用が合う人
- YouTube・SNS・社内共有が最終的な行き先で、放送や定額配信に乗る予定がない人
- 自分の名義のチャンネルや、自社の広報動画を作っている人
- フリーランスとして個人名義で受注・請求している人(ライトかスタンダードでよいと公式が回答)
- AI音声のナレーションや翻訳字幕を、自分のコンテンツで収益化したい人
- 素材を動画の中に溶かして使い、素材単体では外に出さない人
Vrewの商用利用に慎重になったほうがいい人
- テレビCM・BSCS番組・定額制の配信サービス向けの納品がある人(BGMの送出先に制限あり)
- 商品レビューやサービス紹介の動画で、人物が写ったフリー素材を使いたい人
- 会社として費用を持ち、会社名義で請求している人(ビジネスプランの対象になる)
- 素材やBGMを取り出して、他の編集ソフト側で使いたい人
- 納品物の著作権を自分側に完全に寄せる契約を結んでいる人(AI生成物の権利の書き方が文書間で揃っていない)
とくに最後の項目。「納品物の一切の権利は甲に帰属する」という条項がある契約で、AI生成画像を混ぜるのは、公式の記述が揃っていない以上リスクが残ります。ここは条文の問題なので、ツールを変えるより契約の書き方を先に確認するほうが早いと思います。
そもそもVrewをどう動かすかから知りたい人は、Vrewの使い方をまとめた記事のほうを先に見てみてください。まず1本書き出してみて、それから商用に使うかを考える順番でも遅くないです。
規約を読んだうえで、次に決めること
データの扱いに納得できたら、次は「実際に使うか」「いくらかかるか」の判断です。同じ観点で他のツールも見比べられるようにまとめてあります。
12. Vrewの商用利用についてよくある質問と、判断のまとめ
最後に、Vrewの商用利用で公式を読んでも分かりにくかった点を5つに絞って答えます。すべて2026年9月18日時点の公式の表記が根拠です。

結局、YouTubeで収益化していいのかどうかだけ先に知りたいです。そこだけ端的にお願いします。

端的に言うと、できます。AI音声もBGMも、YouTubeでの収益化を公式が名指しで認めています。気をつけるのはGIPHYを混ぜないことと、無料プランだと透かしが入ることの2点だけです。
Q1. Vrewで作った動画は商用利用できますか?
できます。利用規約の第12条5項で、AIが生成した画像とオーディオについて「商業的または非商業的に制限なく利用することができます」と明記されています。掲示板の運営回答でも、制作した映像は商業的に制限なく使用できると答えられていました。
ただし、素材の系統ごとに条件が違います。動画の中に入れて書き出すぶんには広く認められていて、引っかかるのは素材のまま外に出すときと、放送や配信に送出するときです。
Q2. Vrewの商用利用でクレジット表記はできますか、それとも要りますか?
画像・ビデオ・AI生成画像については、公式ヘルプに「著作権の表記は不要」と書かれています。掲示板のビデオ素材の案内でも「別途の出処表記なしで利用可能」でした。
例外がVOICEVOXの音声で、こちらはクレジット表記が必要と公式ヘルプに明記されています。概要欄やタイトルに「VOICEVOX:〇〇」の形で入れる、という指定でした。
Q3. 無料プランのままVrewを商用利用できますか?
公式の回答上はできます。2024年11月25日の運営コメントで「Vrewのプログラムは有料・無料関係なく商業利用が可能です」と答えられていて、法人についても無料の使用量の範囲内なら利用できるとされています。
ただし無料プランの書き出しには透かしが入ります。人に見せる納品物に使うつもりなら、権利以前にそこで止まる可能性が高いです。
Q4. 会社でVrewを商用利用するとき、どのプランを選べばいいですか?
法人・企業・機関・団体は、規模に関わらずビジネスプランのみ利用可能と掲示板に書かれています。2023年7月5日からの条件です。
個人として受注し、個人名義で請求するフリーランスについては、ライトまたはスタンダードでも問題ないと2025年1月6日の運営回答で明言されています。費用を誰が負担し、誰の名義で請求するかが分かれ目です。
Q5. VrewのBGMをテレビCMに使えますか?
公式の記述を読むかぎり、外れます。掲示板のBGM・効果音の案内に「地上波、IPTV、衛星放送、ラジオ、OTTには送出できません」と明記されていました。
同じ理由で、定額制の配信サービス向けの番組やドラマにも使えない読み方になります。行き先がYouTubeやSNSなら、収益化まで含めて公式が認めている範囲です。
- Vrewの商用利用は規約の第12条5項で許可。語は「商用」ではなく「商業的」
- 規約に書かれているのはAI生成の画像と音声だけ。素材の条件は掲示板とヘルプ側にある
- クレジット表記は原則不要。VOICEVOXの音声だけは必要と明記されている
- 無料素材のうちGIPHYだけが非商用。素材パネルの中に混ざって並んでいる
- BGMは地上波・IPTV・衛星放送・ラジオ・OTTへの送出ができない
- 法人はビジネスプランのみ。個人名義で請求するフリーランスはライトかスタンダードでよい
- 公式内で食い違う箇所が9件、公式が答えていない項目が7件あった
Vrewの商用利用は、調べる前に思っていたよりずっと広く認められていました。結論としては、YouTubeやSNSを行き先にするなら、収益化まで含めて公式が正面から認めていると読んでいい状態です。
引っかかるのは、条件が3つの文書に散らばっていることのほうでした。規約だけを読むと素材の話が出てこないし、トップページだけを読むとGIPHYの例外が抜け落ちる。1か所を読んで判断すると、どちらに転んでも読み違えます。
なので、この記事を1回ぶんの下調べとして使ってもらえたらうれしいです。そのうえで、金額が動く判断をする前には、公式の最新版をご自身で開いて確認してみてください。
権利の線が引けたら、あとは作るだけです。一緒に、安心して出せる動画を増やしていきましょう。
確認日:2026年9月18日。商用可否・素材の条件・プランの条件は、すべてVrew公式の当日の記述に基づいており、筆者による実機検証は行っていません。規約や案内は改定されるため、判断の前にはご自身で最新版を開いて確認してみてください。
参照した主なページ:公式トップ(vrew.ai/ja/)/利用規約(vrew.ai/ja/terms-of-service)/個人情報処理方針(vrew.ai/ja/privacy-policy)/データ保護(vrew.ai/ja/data-protection)/公式掲示板「Vrewガイド」の企業・商用での利用、ビデオの著作権、GIPHY、BGM・効果音(26.02.02更新)、YouTubeの著作権通知の各投稿(vrewjp.imweb.me/FAQ)/公式ヘルプの著作権案内、フリー画像・ビデオ・キャラクターの著作権(24/03/13更新)、AI音声の著作権、VOICEVOXの表記法、フリーフォントライセンス(vrew-help.notion.site)。
これから導入する場合の手順とシステム要件は、Vrewのダウンロード方法|インストールと初期設定までにまとめています。
