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Filmoraの危険性は大丈夫?会社と規約とデータの扱い

Filmoraの危険性のアイキャッチ画像
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Filmoraの危険性のアイキャッチ画像

Filmoraを買おうと思って検索したら「危険性」って予測変換が出てきて、手が止まりました。中国の会社って書いてあるし、編集した動画が勝手に見られたりしないですか……?

わかります。買う直前にその予測変換を見ると、財布を出した手がそのまま止まりますよね。

先に結論から言います。Filmoraの危険性という話題の中身は、ほとんどが「規約に書いてあることを読んでいない」か「日本語版と英語版で書いてあることが違う」のどちらかです。ソフトそのものの挙動より、文書の側に原因がありますよ。

僕は2026年9月17日に、Wondershareの公式ページを直接開いて確認しました。会社概要、拠点一覧、特定商取引法に基づく表記、EULA(使用許諾契約書)、そしてプライバシーポリシーを日本語版と英語版の両方。その結果、公式が答えていない項目が9個、公式内で記述が食い違う箇所が10件見つかりました。

先に正直に開示しておきます。僕はFilmoraを実機で使っていません。だから「起動したらこう動いた」「通信を監視したらこうだった」という話は一行も書きません。書けるのは、毎日Premiere ProとAfter Effects、DaVinci Resolveで納品している人間が、この規約とこの仕様書をどう読むかという、読み方のほうの実体験までです。

この記事でわかること
  • Filmoraはどこの国の会社が作っているのか、公式に書いてある事実だけ
  • EULAのどの条文がデータの扱いを決めているのか
  • 編集した動画がAIに渡るのはどんなときか、英語版に書いてある送信先の実名
  • 日本語版と英語版で記述が食い違う10か所の一覧
  • 公式が答えていない9項目と、その空白をどう受け止めるか
  • Filmoraの安全性の考え方が合う人・合わない人の線引き
Contents
  1. 1. Filmoraの危険性が気になるとき、まず切り分けたい3つの不安
  2. 2. Filmoraはどこの国の会社か、公式に書いてある事実だけを並べる
  3. 3. Filmoraの安全性はEULAのどこに書いてあるのか
  4. 4. プライバシーポリシーが示すFilmoraのデータの扱い
  5. 5. 入力した動画はAIに渡るのか。Filmoraの危険性で一番多い誤解
  6. 6. wondershare filmora 危険性の話が噛み合わない理由は、公式内の食い違い10か所
  7. 7. Filmoraの安全性について公式が答えていない9項目
  8. 8. 現役の編集者がFilmoraの危険性を測るときに見る3か所
  9. 9. Filmoraの安全性の考え方が合う人・合わない人
  10. 10. Filmoraの危険性についてよくある質問

1. Filmoraの危険性が気になるとき、まず切り分けたい3つの不安

Filmoraの危険性という言葉で検索する人の不安は、実は会社・データ・お金の3種類に分かれます。混ぜたまま考えると、答えが永遠に出ませんよ。

Filmoraの危険性という検索語に含まれる3つの不安を切り分けた図
Filmoraの危険性という検索語に混在する3つの不安を分離した図

ひとつ目は会社への不安です。「どこの国の会社かわからない」「連絡先が本当にあるのか」というタイプ。これは会社概要と特定商取引法に基づく表記を読めば、ほぼ片がつきます。

ふたつ目はデータへの不安。「編集中の動画を見られるのでは」「入力した素材が学習に使われるのでは」というタイプです。これはプライバシーポリシーとEULAの2本立てで読む必要があります。片方だけ読むと、答えが半分しか出てきません。

みっつ目はお金への不安。「自動更新が止められないのでは」「買い切りと言いながら次のバージョンで金を取られるのでは」というタイプですね。これは価格ページとFAQを突き合わせる話なので、Filmoraの値段を整理した記事のほうが詳しいです。

この記事が扱うのは、主にひとつ目とふたつ目です。「危険かどうか」ではなく「公式が何を書いていて、何を書いていないか」を並べます。そこから先の判断は、あなたが何を編集するかによって変わるからです。

この記事に出てくる引用は、すべて2026年9月17日に僕が公式ページを開いて確認した原文です。第三者のまとめサイトや、過去の記憶からの書き写しは使っていません。日付が変われば記述も変わる可能性があるので、そのときはご自身でも公式を開いてみてくださいね。

2. Filmoraはどこの国の会社か、公式に書いてある事実だけを並べる

Filmoraはどこの国かというと、開発元Wondershareの本社は中国・深センです。日本での販売は東京の日本法人が担当していますよ。

ただし決済の主体はまた別の法人名になっていて、ここが混乱の元になっています。順番に見ていきますね。

会社概要ページに書いてあること

Wondershareの日本語会社概要には「2003年の会社設立以来」「世界中にある6つのオフィスには1,200人以上の社員が働いています」とあります。拠点一覧ページを開くと、その6拠点の内訳が出てきます。

拠点公式ページの説明
深セン(中国)「4,000平方メートルの本社オフィスでは600名を超える社員が働いています」
北京(中国)「朝陽区に位置する北京オフィスには、世界中のハイテク人材が集まっています」
長沙(中国)「長沙ではカスタマーサービスチームが、顧客サポートをさせて頂いております」
ラサ(中国)「小規模なオフィスですが、専門性に特化したチームです」
バンクーバー(カナダ)「マーケティングチームと設計チームが働いています」
東京(日本)「2011年に東京に日本支社を設立。日本の法人営業部、マーケティングチーム、デザイナーチームが働いているオフィスです」

つまり開発の中心は深セン、日本側は営業とマーケティングとデザインという配置が公式に書かれています。これは隠されている情報ではなく、会社概要をクリック2回で読める場所にあるんですよ。

特定商取引法に基づく表記のほうが情報量は多い

日本のユーザーにとって実務的に効くのは、会社概要より特定商取引法に基づく表記のほうです。ここには販売業者として「Wondershare Software Co., Ltd. 株式会社ワンダーシェアーソフトウェア」と、あわせて「Hong Kong Entity: Wondershare Global Limited」が並記されています。

代表者は日本本社の代表取締役として個人名が、香港側にも代表者名が記載されています。設立は日本本社が平成23年9月、香港法人が2019年2月11日。所在地は東京都港区芝4-1-28 PMO田町Ⅲ 5階と番地まで出ています。

ここまで書いてあれば、「連絡先の実体がない」タイプの不安はほぼ解消されます。むしろ海外製ソフトの中では、日本法人の住所と代表者名まで公開している側です。

ただし法人名は3つ以上出てくる

ややこしいのはここからです。日本語サイトのフッターには、英語でこう書かれています。「The order process, tax issue, and invoicing to end users are conducted by Wondershare Technology Group Co., Ltd.」。注文処理と税務と請求を行うのは、日本法人でも香港法人でもなく Wondershare Technology Group Co., Ltd. だという意味です。

さらにEULAの冒頭を読むと、契約の相手方として「Wondershare Technology Group Co., Ltd」「Wondershare Software Co., Ltd」、その子会社として「Vbroadcast Limited」「Wondershare Technology Co., Limited」の4社が列挙されています。

ここは「隠している」のではなく「グローバル企業として普通に複雑」なだけだと僕は読みました。Adobeも日本法人と米国本社で契約主体が分かれます。ただ、どの法人が何を担当するかの対応表は公式に用意されていないので、読む側が自分で組み立てる必要はありますね。

3. Filmoraの安全性はEULAのどこに書いてあるのか

Filmoraの安全性を測る条文は、EULAの第5条・第7条・第14条・第17条・第20条の5つです。ここだけ読めば、契約上の輪郭はつかめますよ。

Filmoraの安全性を確認するための3層の文書構造を示した図
Filmoraの安全性を確認するときに読む3層の公式文書

面白いのは、EULA自身が冒頭で読むべき条文を指定していることです。「第3, 5, 14, 15, 16, 19の条項について特に注意を払うようにしてください」と書いてある。発行元が自分で「ここが重い」と宣言している箇所ですから、まずここから読むのが筋ですね。

第5条:データ収集はオプトアウトできると書いてある

第5条は「ソフトウェア改良プログラム」という名前の、実質的なデータ収集条項です。原文はこうです。

「当社はWondershareソフトウェアの様々なモジュールや機能の利用状況に関する情報を自動で収集、保存、処理、使用しています。ソフトウェアの利用状況を統計的解析にかけるために情報は匿名で収集されています」

そして同じ条文の末尾に、見落としやすい一文があります。「本サービスの利用を望まれないユーザは、インストール時にオプションメニューで除外することができます」。つまり収集を断る手段は用意されていると書いてあるんですよ。

ただし「インストール時」としか書かれていません。インストール後に気が変わったときの導線は、EULAにも日本語のヘルプにも見当たりませんでした。これは後述する「公式が答えていない9項目」の1つに数えています。

第17条:作ったコンテンツは監視されないと明記されている

データへの不安に直接答えているのが第17条です。ここには「ライセンサーはいかなるコンテンツに対しても編集またはモニターすることはありません」と書かれています。

同時に「利用者により作成されたコンテンツの使用、保存、開示に関してはライセンス所有者に全ての責任があることとします」とも書いてある。見ないかわりに責任も持たないという、ソフトウェアEULAとしてはごく標準的な立て付けですね。

第20条:準拠法は中国法、紛争解決は深センの仲裁

第20条には「本契約は中国の法律の下にあり」「本契約から生じる全ての紛争は深センの仲介裁判所にて(中略)決着をつけることとします」とあります。

ここは感情的に読まれやすい箇所ですが、海外製ソフトのEULAでは開発元の国の法律が準拠法になるのが普通です。米国製なら州法、ドイツ製ならドイツ法。条文の末尾に「利用者の裁判管轄区域の法律で禁止されていない範囲内で」という留保もついています。

実務的に効くのは、トラブル時に自分が個人で深センの仲裁に行く現実味はほぼないので、実質はサポート窓口と返金ポリシーが頼りになるという点です。だから僕は、この条文より返金規定のほうを先に読みますよ。

第10条:昨日使えた機能が今日消えることがある、と書いてある

読む人が少ないわりに、実務への影響が大きいのが第10条です。アップデートに関する条文なのですが、内容はアップデートの話にとどまりません。

「ライセンサーは、アップデートされたソフトウェアまたはアップグレードソフトウェアで、新しい機能、音楽トラック、要素、写真、ビデオを追加したり、元の機能、音楽トラック、要素、写真、ビデオを削除したりできます」。つまり内蔵素材は増えることも減ることもある、と明記されているわけですね。

さらに続きがあります。権利者やサードパーティライセンサーの都合、法令の変更などを理由に、Wondershareは「いつでも全体または一部を問わず」製品コンテンツを更新・変更・中断・終了できる、とも書かれています。そして「製品コンテンツにアクセスできない場合にお客様が被る損失または損害について、お客様の事前の同意を取得する必要はなく」責任も負わない、と続きます。

これは危険というより、素材ライブラリを内蔵するタイプのソフト全般に共通する構造です。ただ、シリーズものを長期で作る人には効いてきます。第1話で使ったトランジションが第8話の時点で消えている、という事態が契約上ありうるという意味だからです。

僕が長尺のシリーズを回すときに、テロップやトランジションをなるべく自前のプリセットで組むのは、この手の条文を何度も読んできたからです。ツールが悪いのではなく、内蔵素材に依存すると再現性が他社の都合に握られる。そこを避けているだけですね。

第2条とFILMORA追加条項:個人ライセンスは非営利が前提

危険性とは少し軸がずれますが、金銭的に一番痛い規定がここです。第2条は「個人利用のみが目的(非営利目的)であることを前提に」権利を渡すと書いています。

さらにFILMORA追加条項には、「ビジネスプランからFilmoraを購入したライセンシーでも、Filmoraに組み込まれている音楽トラックや効果音を商用目的でご利用いただけません」という一文があります。法人プランを買っても内蔵BGMと効果音は商用で使えない、という意味ですね。

これを知らずにクライアント案件で内蔵BGMを使うと、規約違反が成立します。こういう「商用利用の線引き」は他ツールでも同じ構造なので、CapCutの商用利用の規約やRunwayの商用利用の条件と並べて読むと理解が早いですよ。

4. プライバシーポリシーが示すFilmoraのデータの扱い

日本語版プライバシーポリシーは、製品使用時に集めるデータを4カテゴリで列挙しています。映像の中身そのものは、そのリストに入っていません。

カテゴリ日本語版に書かれている中身
製品のシリアル番号ライセンス照合のための番号
製品使用データ「ローンチデータ、機能の使用状況、ページのクリック数、サインイン情報など」
製品のインストールデータ「デバイス情報、デバイスハードウェア、オペレーティング システム、システム上のその他のソフトウェア、ユーザー名、Wondershare ID、場所、IPアドレス、操作のログ情報、ファイルのサイズと形式など」
クラッシュデータと作業中のファイルの情報「元のドキュメントをWondershareに送信することにユーザーが同意するかどうかを確認します」

注目してほしいのは3行目です。集めると書いてあるのは「ファイルのサイズと形式」であって、ファイルの中身ではありません。4K60pのMP4を10分、という情報は渡るけれど、映っているものは渡らないという書き方ですね。

4行目も丁寧です。クラッシュしたときに元データを送るかどうかは同意ベースで、「ユーザーがWondershareにオリジナルドキュメントを送信することに同意した場合のみ、Wondershareがオリジナルドキュメントにアクセスできます」と明記されています。

ここで「中身は取らないと明言していない」と読むか、「取ると書いていないものは取らない」と読むかで、印象が大きく変わります。僕は後者寄りに読みますが、前者の読み方をする人がいるのも理解できます。この揺れ自体が、Filmoraの危険性という検索語が消えない理由の一つですね。

日本語版の追跡ツール一覧はむしろ詳しい

日本語版には、サードパーティ追跡ツールの名前が表で並んでいます。Adwords、Bing、Criteo、Facebook、LinkedIn、Quora、fabric、FireBase、Flurry、Googleアナリティクス、bugsplat、disqus、Hotjar、Pardot、そしてSense Time SDK(カメラデータ)とJPUSH SDK(ローカルデバイスデータ)。

ここは日本語版のほうが具体的です。英語版の対応箇所には、この個別SDK名の一覧がありません。日英どちらかが一方的に詳しいわけではなく、詳しい場所が互い違いになっているというのが実態ですよ。

ただし、この表に並ぶツール名は文書としてはかなり古い世代の構成に見えます。日本語版には「最終更新日:2025年4月18日」、英語版には「Last updated: August 11, 2026」と記載されています。同じ会社の同じ文書で、日本語版と英語版の更新日が1年以上ずれているという状態です(2026年9月21日に再確認。初出時点では日本語版の更新日を確認できていませんでした)。

じゃあ日本語版だけ読んでたら、古い情報を読まされてるってことですか……?

そう断じるところまでは言えません。更新日が書かれていないだけで、中身は最新かもしれないからです。ただ、読者が「いつ時点の約束か」を確かめられない状態であることは事実ですね。ここは素直に減点ポイントだと思っています。

5. 入力した動画はAIに渡るのか。Filmoraの危険性で一番多い誤解

AI機能を使ったときだけ、入力した動画や音声は外部のAIに送られます。ここは英語版に送信先の実名まで書いてありますよ。

FilmoraのAI機能で入力データが渡る先を整理した図
FilmoraのAI機能で素材が外部へ渡る条件と送信先の整理

英語版プライバシーポリシーの「1.5 Special Data Processed for AI Features in Filmora」という章に、こう書かれています。AI機能を使うと、同意を得たうえで「入力したテキストプロンプト」「アップロードした写真と動画」「提供した音声録音」を処理する、と。

そして送信先が実名で開示されています。GoogleのGemini 3.0 Flash/Pro、Veo 3.0/3.1、NanoBanana/NanoBanana Pro。加えてOpenAIのSora 2、KuaishouのKling 2.5。この5系統です。

項目英語版プライバシーポリシーの記述
送られるものテキストプロンプト、写真、動画、音声録音、参照画像
送られる条件「only after you have given your consent」=同意後に限る
主な送信先Google(Gemini 3.0 Flash/Pro、Veo 3.0/3.1、NanoBanana系)
追加の送信先OpenAI(Sora 2)、Kuaishou(Kling 2.5)
自社学習への利用「We do not use this data to train our own general AI models」
Google側の保持「We do not retain your raw data on Google’s servers beyond the processing period」

つまり「Filmoraに読み込んだ動画が、黙って学習データにされる」わけではないと、英語版は明確に否定しています。処理目的の表にも「to improve our Services (not used for AI model training)」という括弧書きがわざわざ入っていますよ。

問題は、この章が日本語版に存在しないこと

ここが本題です。この AI 機能に関する章そのものが、日本語版プライバシーポリシーには存在しません。僕が9月17日に全文を読んだかぎり、Gemini も Veo も Sora も Kling も、日本語版には一度も出てきませんでした。

これは皮肉な構図です。日本語だけ読んだ人は「AIに何が送られるか説明がない」と感じ、英語版まで読んだ人は「むしろ丁寧に開示している」と感じる。同じ製品で、同じ会社で、読む言語だけで結論が反転してしまうんですよ。

Filmoraの危険性という検索が消えない一番大きな理由は、たぶんこれです。情報が隠されているのではなく、日本語のほうに届いていない。この構造はVrewの記事でも同じパターンを見ていて、Vrewの危険性を規約から読んだ記事と並べると輪郭がはっきりしますよ。

データセンターの所在地にも日英差がある

英語版には「Currently, we use the data centers that are in Singapore, the United States and EU」とあり、ユーザーの所在地に最も近いデータセンターに保存すると書かれています。例として挙がっているのはEEA圏内の人とアメリカの人です。

日本のユーザーがどこに割り当てられるかは、例示に含まれていません。シンガポールが最も近いと推測はできますが、推測は推測です。そして日本語版には、データセンターの所在地という項目自体がありません。

6. wondershare filmora 危険性の話が噛み合わない理由は、公式内の食い違い10か所

ここまでで見つけた食い違いを、10件まとめて表にします。どれも僕が当日に原文を開いて確認したものです。

#論点一方の記述もう一方の記述
1第三者への提供日本語版「いかなるプロモーション目的のために個人データを第三者と共有、販売、貸与、または交換することはありません」英語版「we "sell" or "share" your Device and Network Data and Usage Data for purposes of serving you advertisements」
2AI機能の送信先英語版はGoogle・OpenAI・Kuaishouを実名で開示日本語版に該当章が存在しない
3生体データ英語版1.4「顔画像などの生体データは処理しない」同じページ末尾の生体データ規約「顔の幾何情報と声紋を処理する場合がある」
4本拠の示し方会社概要「深センにある本社オフィス」日本語プライバシーポリシー「データ管理者の会社住所はラサ」
5従業員数会社概要「1,200人以上」特商法表記「1627人 グループ連結(2022年04月現在)」
6グループ拠点日本語ポリシー「中国、カナダ、日本、香港を含む世界中に子会社」拠点一覧ページに香港の記載がない
7未成年の基準年齢「16 歳未満の子供による使用を意図しておらず」同じ文の後半「15歳以下のユーザーから意図的に情報を収集することはありません」
8Creative Assets 月額購入ページ「毎月1,999円(通常4,539円)55%オフ」料金ページ「2,580円/月(元4,539円/月)43%OFF」
9永続ライセンスの範囲特典欄「Filmora15のアップデートに対応」同ページFAQ「ご購入いただいたバージョンのみを永続的にご利用頂けます」
10体験版の機能制限EULA第7条「体験版では特定の機能は使用できないようになっています」解説ページ側の「無料版でもすべての機能の体験が可能」という表現

この10件、性質はバラバラです。1番と2番は言語による説明量の差。3番は但し書きのつなぎ方が読みにくいだけで、実は矛盾していません。英語版1.4には「individual privacy policies で別途定める場合を除き」という前置きがあり、生体データ規約がその「別途」に当たります。

4番から7番は更新のタイミングがページごとにずれた結果に見えます。5番の従業員数は2022年4月の数字が残っているので、単純な更新漏れでしょうね。

8番から10番はお金と機能に直結するので、いちばん実害が出やすい種類の食い違いです。特に8番は、購入ページの案内を見て申し込んだ人と料金ページを見て申し込んだ人で、月額が581円違うことになります。

念のため補足すると、9番と10番は値段の記事と無料版の記事でも同じ扱いにしています。どちらの表記が正しいかを僕が決めることはできないので、「2通りある」という事実だけを置いて、判断材料として渡す方針です。

7. Filmoraの安全性について公式が答えていない9項目

食い違いより厄介なのが、そもそも書かれていない項目です。9月17日時点で、僕が探して見つけられなかったものを9つ挙げます。

#答えが見当たらない項目なぜ気になるか
1日本語プライバシーポリシーの最終更新日いつ時点の約束かを読者が確かめられない
2日本のユーザーのデータがどのデータセンターに置かれるか英語版の例示に日本が入っていない
3AI機能に渡した素材をWondershare側が保持する期間Google側の保持期間は書かれているが自社側がない
4日本語版にAI章がない理由と反映予定更新予定の告知も見当たらない
5EULA第5条の収集を、インストール後にオフにする手順「インストール時に」としか書かれていない
6生体データについての日本語での説明顔や声を扱う機能があるのに日本語の章がない
7編集中のプロジェクトがローカル完結かどうかの明示「取る」も「取らない」も一文で書かれていない
8資本構成や上場に関する情報日本語公式のどのページにも記載が見当たらない
9従業員数の基準日会社概要の「1,200人以上」に日付がない

この9つのうち、7番が一番の急所だと僕は思っています。「編集中の動画の中身は取りません」という一文が日本語で明記されていれば、この記事の需要はかなり減るはずなんですよ。

ただし、書かれていない=危ない、ではありません。プライバシーポリシーは「集めるもの」を列挙する文書であって、「集めないもの」を列挙する文書ではないのが一般的です。列挙に入っていないものを集めれば、その時点でポリシー違反になります。

だから僕の読み方はこうです。「書いてないから安心」でも「書いてないから危険」でもなく、「書いてないので、自分が扱う素材の重さに応じて使い分ける」。これがいちばん実務的な着地だと思いますよ。

8. 現役の編集者がFilmoraの危険性を測るときに見る3か所

ここは僕の職業的な見立てです。新しいツールを案件に入れるか判断するとき、僕が規約のどこを開くかという手順の話です。

もう一度書いておきますが、僕はFilmoraを実機で触っていません。ここで書けるのは、MVやミュージックビデオの納品をPremiere ProとAfter Effects、DaVinci Resolveで回している人間が、新規ツールの文書をどう読むかという習慣のほうです。

1か所目:素材の権利が誰に残るかの条文

最初に開くのは、ユーザーが作ったものの権利に関する条項です。クライアントの未公開映像を通すわけですから、「当社は本サービス改善のためユーザーコンテンツを利用できる」という一文があるかどうかを探します。

この一文があるツールは、僕はクライアント案件から外します。自分の作品なら構いませんが、預かりものを通す場所ではないからです。FilmoraのEULA第17条には、逆に「モニターしない」と書いてありました。ここは合格ラインでしたね。

2か所目:クラウド処理が発生する機能の一覧

次に見るのは「どの機能がネットを使うか」です。文字起こし、ノイズ除去、生成系。ローカルで完結する機能とサーバーに投げる機能の境界線が、そのツールの実質的なリスク境界になります。

Filmoraの場合、英語版プライバシーポリシーがAI機能を独立した章にしているので、境界線は読み取れます。AI機能を使わなければ外部に素材は出ない、という構造が文書から読めるという意味ですね。ただし日本語版だけを読むと、この境界線は見えません。

3か所目:無保証条項と責任上限の金額

3つ目は第14条と第15条です。第14条は「そのままの状態で提供されます」という無保証条項。第15条は責任の上限で、「ライセンス所有者がライセンス化されたソフトウェアに対して支払った料金に限定されます」と書かれています。

これは書き出し失敗で納品が飛んでも、戻ってくるのはソフト代までという意味です。8,980円の永続ライセンスなら、上限は8,980円。ここはFilmoraが特別厳しいわけではなく、市販の編集ソフトはほぼ全部この構造ですよ。

だから僕は、金額の大きい案件ほど書き出しの二重化を前提に組みます。ツールを疑うというより、どのツールでも同じ条項が入っているから、運用側で吸収するという発想ですね。

この3か所、他のソフトを選ぶときにも使えそうですね。

使えますよ。むしろ同じ物差しで並べるから比較になるんです。無料ソフトを検討するときも同じで、DaVinci Resolveがなぜ無料なのかを調べたときも、僕はこの3か所から読み始めました。

ちなみに、この3か所を読むのにかかる時間は15分ほどです。EULAは全文を読む必要がなくて、権利・クラウド・責任上限の3語を検索すれば該当箇所に飛べます。買う前の15分で、買った後の不安がかなり減りますよ。

9. Filmoraの安全性の考え方が合う人・合わない人

ここまでの材料を踏まえて、線を引きます。危険かどうかではなく、あなたが扱う素材と価値観に合うかどうかの話です。

Filmoraの危険性の受け止め方で合う人と合わない人を分けた図
Filmoraの危険性の受け止め方で分かれる合う人と合わない人
合う人合わない人
自分で撮った素材や、自分が権利を持つ映像を扱う人NDAのある未公開素材を日常的に扱う人
AI機能を使うときだけ外部送信が起きる、という構造を理解して使い分けられる人いかなる形でも素材を外部サーバーに通したくない人
日本語と英語の両方を読む手間を許容できる人日本語の公式文書だけで判断を完結させたい人
規約の食い違いを「更新遅れ」と受け止められる人公式内に食い違いがある時点で信頼を置けない人
個人利用・非営利の範囲で使う人内蔵BGMや効果音を商用案件で使いたい人

右の列に2つ以上当てはまるなら、無理にFilmoraを選ぶ理由はありません。ローカル完結を最優先するなら、オフラインで完結する編集ソフトのほうが素直です。用途に合うものを選ぶのが先ですね。

不安を減らすためにできる3つの設定

左の列寄りだった人に向けて、公式文書から読み取れる範囲で、不安を減らす行動を3つ挙げます。

  • インストール時のオプション画面を飛ばさない。EULA第5条のデータ収集は、この画面で除外できると書かれています
  • AI機能を使う前に、同意ダイアログの文面を読む。英語版ポリシーでは、同意後に限って素材が外部AIへ渡ると書かれています
  • クラッシュ時の「元データを送信しますか」という確認に、反射で承諾しない。ここは同意ベースだと日本語版にも書かれています

この3つで、意図しない外部送信はかなり絞れるはずです。逆に言えば、この3つの場面以外で素材が外に出るという記述は、日英どちらの文書にも見当たりませんでした。

なお無料版から試したい人は、無料版の制限を整理した記事を先に読むと、どこまで確かめられるかがわかりますよ。透かしの扱いはロゴを消す方法の記事にまとめています。

そもそも動画編集を始めたばかりで、どのソフトから触るか決めかねている段階なら、危険性の検討は後回しでも構いません。まず作れるようになるほうが先です。順番については動画編集の始め方にまとめました。

Filmoraで迷ったときに、次を決めやすくなる記事

無料で続けるか、Adobeに移るか、買い切りにするか。

→ Adobe CC料金プラン全整理

→ DaVinci Resolve 無償版vsStudio(買い切り)

→ 動画編集の始め方

10. Filmoraの危険性についてよくある質問

検索のサジェストに実際に出てくる質問を4つ、公式の記述だけを根拠に答えます。推測で埋めた部分には、そう書いていますよ。

Q1. Filmoraは中国製だから危険ですか

開発元の本社が中国・深センにあるのは、会社概要に書かれている事実です。ただし開発国そのものは、危険かどうかの判定材料にはなりません。判定材料になるのは、規約に何が書いてあるかと、その規約が守られる仕組みがあるかです。

この記事では、EULAと日英2本のプライバシーポリシーを読んで、集めるデータの範囲・外部送信の条件・監視しないという明記まで確認しました。読むべきは国籍ではなく条文のほうだと僕は思いますよ。

Q2. 入力した動画はAIの学習に使われますか

英語版プライバシーポリシーには「We do not use this data to train our own general AI models」=自社の汎用AIモデルの学習には使わないと明記されています。処理目的の表にも「not used for AI model training」という括弧書きが入っています。

ただし、AI機能を使うと素材がGoogle・OpenAI・Kuaishouのモデルへ送られること自体は書かれています。送信先各社の扱いは、各社のポリシーに従うという構造です。そしてこの説明は、日本語版には載っていません。

Q3. 編集中のプロジェクトを勝手に見られることはありますか

EULA第17条に「ライセンサーはいかなるコンテンツに対しても編集またはモニターすることはありません」とあります。日本語版プライバシーポリシーで収集対象に挙がっているのも「ファイルのサイズと形式」までで、中身は列挙されていません。

クラッシュ時の原本送信については同意した場合のみアクセスできると明記されています。なお「中身は取りません」という肯定形の一文は日本語公式に見当たらなかったので、これは前述の9項目に数えていますよ。

Q4. ウイルスやマルウェアの心配はありますか

この記事では、実機での検証をしていないので挙動の判定はできません。書けるのは、公式ドメインの配布ページから取得するのが前提であること、そして英語版プライバシーポリシーが「安全を保証できる技術は存在しない」という趣旨の免責をはっきり書いていることまでです。

入手経路が公式ドメイン以外だと、開発元の保証や規約の適用範囲がそもそも変わってきます。危険性を本気で下げたいなら、まず公式ドメインの配布ページから取得することが先です。これはFilmoraにかぎらず、どのソフトでも同じですよ。

まとめ
  • 開発元Wondershareの本社は中国・深セン、日本法人は東京都港区。特商法表記に代表者名と住所まで公開されている
  • EULA第17条はユーザーのコンテンツをモニターしないと明記。第5条のデータ収集はインストール時に除外できると書かれている
  • AI機能を使ったときだけ、素材がGoogle・OpenAI・Kuaishouのモデルへ同意後に送られる。自社の汎用AI学習には使わないと英語版に明記
  • その AI に関する章は、日本語版プライバシーポリシーに存在しない。日英で読者の結論が反転する構造になっている
  • 公式内の食い違いが10件、答えが見当たらない項目が9件。うちお金に直結するのはCreative Assetsの月額と永続ライセンスの範囲
  • 判断の軸は開発国ではなく、自分が扱う素材の重さ。NDA素材を日常的に通すなら別の選択肢を検討したほうが素直

ここまで読んでくれてありがとうございます。9月17日の午前に、公式ページを順番に開いて突き合わせた結果が以上です。

読み終えてみて僕が思ったのは、Filmoraの危険性という言葉の正体は、情報の隠蔽ではなく翻訳と更新の遅れだということでした。英語版まで読むと、むしろ送信先を実名で開示している丁寧な部類です。それが日本語に届いていないだけなんです。

だからこの記事は「安全です」とも「危険です」とも書きません。書いてあることと、書いてないことを並べて渡すところまでが僕の仕事です。そこから先は、あなたが何を編集するかで答えが変わります。

もし今日、この記事を読んで手が止まったままなら、それは悪いことじゃありません。規約を読んでから買う癖は、これから何年も編集を続けるうえでずっと効いてきます。一緒に、そういう買い方をしていきましょう。

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危険性という切り口ではなく、良い評判と悪い評判の両方を一次情報で検証した記事もあります。
Filmoraの評判は実際どう?良い口コミと悪い口コミの根拠

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