【7つに整理】アフターエフェクト できること|Premiereとの境界線と向く人

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アフターエフェクトって、結局なにができるソフトなんですか?Premiereと何が違うのかもよくわからなくて、契約する前に全体像を知りたいです。

わかります。

私も本業で使い始める前は、「動画編集ソフトの上位版」くらいのイメージしか持っていませんでした。

結論から言うと、アフターエフェクトでできることは「止まっているものを動かす」「映像に無いものを足す・消す」の2つに集約され、動画を並べてつなぐカット編集はPremiere Proの仕事です。

この2つを、現役のMV制作者の視点で7つの用途に分けて説明します。

根拠にするのは、2026年9月29日にAdobe公式の製品ページ・機能ページ・ヘルプを開いて確認した記述と、私が毎月の案件で使っている範囲だけです。

この記事でわかること
  • アフターエフェクトでできることを、公式が挙げる機能と現役の用途から7つに整理したもの
  • Premiere Proでできることとの境界線を、1本の動画のどこを担当するかで見分ける方法
  • できるように見えて実は向かないこと4つと、その作業を任せるべき別のソフト
  • 私がMVとVJの現場で毎月使っている用途と、逆にほとんど使わない機能
  • 試す前に知っておきたい料金と、契約せずに触り始める方法
  • アフターエフェクトが向く人・向かない人の判断基準

「できること」ではなく、画面の見方や操作の順番を知りたい人は、After Effectsの使い方完全ガイドのほうが近道です。

この記事は、その手前で「自分に必要なソフトなのか」を判断するための入口として書いています。

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Contents
  1. 1. アフターエフェクト できることを一言でいうと「動かす」と「足す・消す」
  2. 2. アフターエフェクト できること7つ|公式の機能を用途で整理
  3. 3. アフターエフェクト できることとPremiere Proでできることの境界線
  4. 4. アフターエフェクト できることを支える3つの仕組み|コンポジション・レイヤー・キーフレーム
  5. 5. アフターエフェクト できることに見えて、実は向かない4つの作業
  6. 6. 【実体験】アフターエフェクト できることのうち、私がMVとVJの現場で毎月使っている4つ
  7. 7. アフターエフェクト できることを試す前に知っておきたい料金と始め方
  8. 8. アフターエフェクト できることが「向く人」と「向かない人」
  9. 9. アフターエフェクト できることについてよくある質問
  10. 10. アフターエフェクト できることのまとめ

1. アフターエフェクト できることを一言でいうと「動かす」と「足す・消す」

まず、公式がどう説明しているかを見ておきましょう。

2026年9月29日にAdobe公式のAfter Effects製品ページを開くと、冒頭にこう書かれています。

「魅力的なモーショングラフィックスの作成、ロゴやキャラクターのアニメーション化、人目を引くビジュアルエフェクトの追加など、After Effectsなら、あらゆる映像作品に生き生きとした動きを加えることができます。」

ここに出てくる3つの言葉が、そのままアフターエフェクトの守備範囲です。

モーショングラフィックスとアニメーションは「止まっている文字・図形・絵を動かす」こと。

ビジュアルエフェクトは「撮った映像に、そこには無かったものを足す、または写っていたものを消す」ことです。

製品ページのタイトルも「モーショングラフィックスソフトウェア | Adobe After Effects」で、動画編集ソフトではなくモーショングラフィックスのソフトとして紹介されています。

つまり、撮った素材を切ってつなぐ道具ではなく、1カットの中身を作り込む道具なんですよ。

この前提を押さえておくと、次の7つの用途がすっと頭に入ります。

公式ヘルプが示す基本の流れ

Adobeヘルプ「After Effects のワークフロー」(最終更新 2026年1月19日)は、作業を「フッテージの読み込みと準備」「レイヤーの作成、配置、コンポジット」「レイヤープロパティの変更とアニメーション化」「エフェクトの追加とプロパティの変更」「プレビュー」「レンダリングと書き出し」の6工程で説明しています。

フッテージは撮った動画や写真などの素材、レンダリングは作ったものを1本の動画ファイルに計算して出すことです。

同じページに「単純なタイトルをアニメーション化する場合も、複雑なモーショングラフィックを作成する場合も、リアルなビジュアルエフェクトをコンポジットする場合も、通常は共通の基本的なワークフローに従います」とあり、用途が違っても手順の骨格は1つです。

2. アフターエフェクト できること7つ|公式の機能を用途で整理

ここからが本題です。

公式の製品ページと機能ページに並ぶ項目を、用途ごとに7つへ整理しました。

アフターエフェクト できること7つを「動かす」「足す・消す」「つなぐ」の3グループに分けた図解
できることは「動かす」3つ、「足す・消す」3つ、「Premiereとつなぐ」1つの計7つに整理できる

7つは「動かす」が3つ、「足す・消す」が3つ、「Premiere Proとつなぐ」が1つという構成です。

できること①:文字とロゴを動かす(モーショングラフィックス)

需要が多く、私の案件でも出番が多いのがこれです。

歌詞が音に合わせて出てくるリリックMV、企業ロゴが組み上がるオープニング、YouTubeのタイトルアニメーションなどが当てはまります。

公式ページも「映画のタイトルシーケンスやシンプルなクレジットロールで、テキストにモーションを追加できます」と、文字を動かす用途を挙げています。

機能ページの新機能には「バリアブルフォントアニメーション」も並んでいて、公式は「滑らかに変化する表現力豊かなテキストアニメーションを簡単に作成できます」と説明しています。

手法の細かい違いは、After Effectsテキストアニメーション6パターンとAfter Effectsモーショングラフィックス入門で。

できること②:図形・イラスト・キャラクターを動かす(アニメーション)

文字だけでなく、丸や線などの図形、Illustratorで描いたイラスト、静止画のキャラクターも動かせます。

公式ページの言葉では「静止画やイラストをアニメーション化し、印象的なモーショングラフィックスを作成しましょう」。

2026年4月のバージョン26.2からSVGファイルを編集できるベクターのレイヤーとして読み込めるようになり、6月の26.3ではIllustratorからのコピー&ペーストにも対応しました。

インフォグラフィック、解説動画の図解、地図の上を動くルート線などが、この用途。

動きの土台になる考え方はAfter Effectsキーフレームの使い方で、最初の一歩から説明しています。

できること③:3Dの奥行きを作る(3Dレイヤー・カメラ・3Dシェイプ)

平面のレイヤーを3D空間に置いて、カメラを動かして奥行きを出すこともできます。

公式ページには「After Effects内の本格的な3Dワークスペースで、ビデオに奥行きを加えられます。」とあります。

続けて「シェイプを作成して組み合わせ、Substance 3Dマテリアルを適用し」と、3Dの形を作って質感(Substance 3Dマテリアル=表面の素材データ)を付けられることも書かれていますよ。

機能ページによると、3Dシェイプを直接作り、「Adobe Substance 3Dの1,300種類を超える無料のテクスチャ」で質感を付けられるようになっています。

ただし、キャラクターをゼロから造形するような本格的な3DCGは別のソフトの領域で、私も仕事の3DCGはMayaとBlenderで作っています。

アフターエフェクトの3Dは「写真や文字を空間に並べて、カメラをゆっくり動かして見せる」くらいの表現が得意です。

基本の設定はAfter Effects 3Dレイヤーとカメラの使い方にまとめています。

できること④:人や物を切り抜いて背景を差し替える(合成)

ここから「足す・消す」の用途です。

グリーンバックで撮った人物の背景を別の場所に差し替える、撮った映像から人物だけを切り抜いて文字の手前に置く、といった作業がこれに当たります。

公式ページは「パワフルなキーイングツールを使用して、背景を置き換えたり、ビジュアルエフェクトを適用したり、シーンに新しい要素を追加したりできます」と説明しています。

Adobeヘルプ「合成と透明化の概要とリソース」(最終更新 2026年4月30日)が挙げる切り抜きの手段は、「CC のロトブラシとエッジ補正ツール」「マスクとロトスコーピング」「マット」「キーイングエフェクト」など6種類です。

ロトスコーピングは輪郭を手でなぞって切り抜くこと、マットは「ここは見せる・ここは透明」を決める白黒の型、キーイングは緑や青など特定の色を透明にすることです。

2026年4月の26.2で加わった「AI を活用したオブジェクトマット」は、公式の説明を借りると「シングルクリックの被写体選択で、コンポジションの被写体を自動的に選択、分離、追跡」できる機能。

これでグリーンバックなしの切り抜きがかなり楽になりましたよ。

手順はそれぞれAfter Effectsロトブラシの使い方、AE Object Matteの使い方、After Effects背景透過のやり方に分けて書いています。

できること⑤:動きを追いかける・写り込んだ物を消す(トラッキングと除去)

撮った映像の中で動いているものに、文字や画像を貼り付けて追従させる機能です。

公式ページの例は「スマートフォンの画面を置き換える、動いている被写体に名前を追加する」で、テレビ番組で人物の横に名前が付いて動くあの表現はこれです。

逆に、写り込んでしまったものを消す方向にも使えます。

公式は「動画に写り込んでしまったブームマイクから背景の人物まで、どんなものでも削除できます」と書いています。

消した跡を全フレームで埋めるのが「コンテンツに応じた塗りつぶし」で、周りの絵から自動で穴を埋める機能です。

「どんなものでも」は公式の言い回しで、実際は背景が複雑だと跡が残ることもあるので、撮影時に写り込みを避けるのが確実な対策です。

2026年6月の26.3では、マスクを追従させるマスクトラッカーが更新され、公式は「最大5倍の高速化」と説明しています。

できること⑥:光・煙・粒子などの効果を足す(ビジュアルエフェクト)

撮った映像に、光の線、煙、雨、粒子、グリッチ(画面の乱れ)のような要素を重ねる用途です。

公式ページの例は「嵐を起こす、レーザー光線を追加する、回転するUFOをトラッキングショットに出現させる」と派手ですが、実務では「光を少し足す」「色を部分的に変える」のような地味な使い方が大半です。

Adobeヘルプのワークフローのページには「何百ものエフェクト、アニメーションプリセット、およびレイヤースタイルを適用することができます」とあり、標準だけでも数は十分です。

26.3で追加された「カールノイズ」は、公式の説明では「煙、水、またはインクのような流動的で有機的な2Dノイズ」を作るエフェクトで、背景の動くテクスチャに向いています。

標準では足りない表現を有料プラグインで補う話は、After Effectsプラグインおすすめ20選に分けています。

できること⑦:Premiere Proと行き来する(Dynamic Linkとテンプレート)

最後の1つは、単独の表現ではなく「編集ソフトとつなぐ」機能です。

つなぎ方は、書き出したファイルを渡す・Dynamic Linkで直接つなぐ・テンプレートとして渡す、の3通りです。

Dynamic Linkを使うと、Premiere Proのタイムラインに置いたクリップを右クリックして「After Effects コンポジションに置き換え」を選ぶだけで、書き出しをはさまずにアフターエフェクト側で作り込めます。

Adobeヘルプ「Dynamic Link と After Effects」(最終更新 2026年3月27日)は、以前は「作業内容をあるアプリケーションでレンダリングおよび書き出した後、別のアプリケーションに読み込む必要がありました」と書いています。

その手間を省くための仕組みが、Dynamic Linkという位置づけ。

もう1つが「モーショングラフィックステンプレート」で、アフターエフェクトで作ったテロップやタイトルを、Premiere Pro側で文字や色だけ差し替えて使える形にできます。

公式の説明は「アニメーションのタイトルやテロップなど、カスタマイズ可能なモーショングラフィックステンプレートをデザイン、共有し、すぐにAdobe Premiereで使用できます」。

Adobeヘルプ「モーショングラフィックステンプレートの操作」(最終更新 2026年5月11日)の言葉を借りると、「After Effects で作業するモーションデザイナーはコンポジションのスタイルを制御しながら、Premiere で作業する編集者はプロジェクトのニーズに応じてモーショングラフィックをカスタマイズできます」という分業のための機能です。

Premiere側でテンプレートを受け取る手順はPremiere Proテンプレートの使い方にまとめました。

3. アフターエフェクト できることとPremiere Proでできることの境界線

7つを見て「Premiereでもテロップは入れられるし、エフェクトもあるけど」と思った人もいるはずです。

その感覚は正しくて、機能名だけ見ると2つのソフトは重なっているんですよ。

アフターエフェクト できることとPremiere Proの担当範囲を1本の動画の工程で分けた図解
Premiere Proは「並べる・つなぐ・音・書き出し」、After Effectsは「1カットの中身を作り込む」と担当が分かれる

見分け方は1つで、「動画全体の流れを作る作業」はPremiere Pro、「1カットの中身を作る作業」はアフターエフェクトです。

作業Premiere ProAfter Effects
撮った素材を切って並べる(カット編集)◎ 本来の仕事△ できるが時間がかかる
BGM・ナレーションの音量調整◎△ 最低限のみ
文字を出す○ 出す・消すが中心◎ 1文字ずつ動かす
切り抜き・合成○ 単純なものなら◎ 精度と手段が多い
図形・イラストのアニメーション△◎
3Dの奥行き・カメラワーク×◎
長い動画をまるごと書き出す◎△ 短いカット向き

この表の◎○△×は、私が本業で両方を毎月使っている感覚で付けたもので、公式が優劣を明記しているわけではありません。

ただ、Adobe自身がDynamic Linkとテンプレートという「2つをつなぐ機能」を用意していることが、役割が分かれているわかりやすい証拠だと思っています。

1本の動画を作るとき、私は「Premiereで並べて、目立たせたい数カットだけアフターエフェクトで作り込み、Premiereに戻して書き出す」という順番で動いています。

Premiere側の全体像はPremiere Proの使い方完全ガイドを、アフターエフェクト側は先に挙げた使い方ガイドを見てもらうと、2つの違いが体感できるはずです。

4. アフターエフェクト できることを支える3つの仕組み|コンポジション・レイヤー・キーフレーム

7つの用途はバラバラに見えますが、中身は3つの仕組みの組み合わせです。

ここを知っておくと、学び始めたときの迷子が減ります。

アフターエフェクト できることを支えるコンポジション・レイヤー・キーフレームの3つの仕組みの図解
コンポジション(箱)にレイヤー(紙)を重ね、キーフレーム(時間の印)で動かす。7つの用途はすべてこの組み合わせ

仕組み1:コンポジション=1カット分の「箱」

アフターエフェクトでは、動画1本ではなく「1カット分の箱」を作って、その中で作業します。

この箱がコンポジションで、サイズ・フレームレート(1秒あたりのコマ数)・長さを最初に決めるのが決まり。

Premiere Proの「シーケンス」に近い存在ですが、1本の動画ではなく1カット分を作り込む単位として使うのが基本です。

仕組み2:レイヤー=箱の中で重ねる「紙」

箱の中には、映像・文字・図形・写真を1枚ずつ「紙」のように重ねていきます。

Adobeヘルプは「レイヤーを 2 次元で重ねたり、3 次元に配置したりできます。複数のレイヤーの画像をコンポジットすなわち合成するには、マスク、描画モード、キーイングツールを使用します」と説明しています。

できること④の切り抜きも⑥のエフェクトも、この紙の一部を透明にしたり、紙の上に効果を足したりしているだけです。

仕組み3:キーフレーム=「この時間にこの状態」という印

紙の位置・大きさ・透明度などを、時間の上に「この瞬間はこの値」と印を打って変化させるのがキーフレームです。

公式の言葉では「キーフレームとエクスプレッションを使って、あらゆる組み合わせで時間の経過とともに変化するレイヤープロパティを作成することができます」です。

エクスプレッションは、キーフレームを打つ代わりに簡単な数式で動きを作る機能で、After Effectsエクスプレッション入門で最初の1本を書いています。

つまり「箱に紙を重ねて、時間の印で動かす」が、アフターエフェクトでできることの正体です。

5. アフターエフェクト できることに見えて、実は向かない4つの作業

ここは契約前にいちばん知っておいてほしい部分です。

「できる」と「向いている」は別で、無理にアフターエフェクトでやると時間だけが溶けていく作業が4つあります。

アフターエフェクト できることに見えて向かない4つの作業と、任せるべきソフトの図解
長尺のカット編集・音の編集・本格的なカラーグレーディング・キャラクターの3DCGは別のソフトへ

向かないこと1:数十カットを並べる長い動画のカット編集

アフターエフェクトでも素材を並べて切ることはできます。

ただ、タイムラインが「1カットの中身を作る」ための設計なので、数十カットを並べ替えたり、音とのタイミングを詰めたりする作業は、私の感覚ではPremiere Proのほうがずっと速いです。

「動画編集を始めたいからアフターエフェクトを契約する」は、私の感覚では最初の1本で挫折しやすい選び方です。

向かないこと2:音の編集・ミックス

音量を上げ下げする程度はできますが、ノイズを取ったり、BGMとナレーションのバランスを細かく整えたりする機能は薄め。

私は効果音の編集と簡単なMA(音の仕上げ)をCubaseでやっていて、アフターエフェクトの中で音を触ることはほぼありません。

向かないこと3:本格的なカラーグレーディング

色味の調整そのものはできますし、部分的に色を変えるような合成寄りの作業は得意です。

ただ、動画全体の色を統一して映画のような質感に仕上げる作業は、Premiere ProのLumetriカラー(色調整の機能)や、色の仕上げに強いと一般に評価されているDaVinci Resolveの領域です。

向かないこと4:キャラクターや建物をゼロから作る3DCG

できること③で触れたとおり、3Dの奥行きやシンプルな3Dシェイプは作れます。

一方で、人物や建物を粘土のように造形して動かす作業は、3DCGソフトの領域です。

私の場合はMayaかBlenderで作ってから、アフターエフェクトに持ち込んで文字や光と合成する流れにしています。

向かない作業と、任せる先の目安
  • 長い動画のカット編集 → Premiere Pro(同じAdobeなのでDynamic Linkでつながる)
  • 音の編集・ミックス → Premiere Proの音声機能、または音楽制作ソフト
  • 全体のカラーグレーディング → Premiere ProのLumetriカラー、DaVinci Resolve
  • キャラクター・建物の3DCG → Blender(無料)、Maya

6. 【実体験】アフターエフェクト できることのうち、私がMVとVJの現場で毎月使っている4つ

ここからは、私が実際にどう使っているかの話です。

私は2025年にVJ(ライブ会場で音楽に合わせて映像を流す仕事)やライブ演出映像の依頼が増えたのをきっかけに、アフターエフェクトを本格的に学び始めました。

それまではPremiere Proで実写MVのカット編集をしていて、アフターエフェクトは使っていませんでした。

3か月ほど集中して学んだところで大型のコンテンツを受注でき、いまはリリックMV・VJ素材・モーションタイポグラフィの3つが月の仕事の柱になっています。

7つ全部を使いこなさないと仕事にならないんですか?

そんなことはないですよ。

私が毎月の案件で使っているのは、7つのうち①文字を動かす・②図形を動かす・④切り抜きと合成・⑦Premiereとの連携の4つで、この4つだけで月5本の制作が回っています。

リリックMV=①文字を動かす

歌詞を音のタイミングに合わせて出し、フォント・大きさ・動き方で曲の温度を表現する仕事です。

1曲分の歌詞を1文字単位で動かすので、テキストアニメーター(文字ごとに動きを付ける機能)とエクスプレッションが無いと納期に間に合わないんですよ。

VJ・ライブ演出=②図形を動かす

ライブの背面スクリーンに流す映像は、歌詞や人物よりも、図形・線・パターンが音に反応して動く素材が中心です。

シェイプレイヤーとループの作り方を覚えたことで、短い素材を量産できるようになりました。

ループの作り方はAfter Effectsループ再生の作り方にまとめています。

実写MVの数カット=④切り抜きと合成

実写MVはPremiere Proで組みますが、人物の後ろに歌詞を回したい、空だけ差し替えたい、というカットが毎回いくつか出ます。

そのカットだけアフターエフェクトで切り抜きと合成をして、透明部分を残した動画にしてPremiere Proに戻しています。

戻し方の詳細はAfter Effects書き出し設定と、Premiere側で受け取るプレミアプロ 背景透過の記事に分けて書きました。

納品の最終工程=⑦Premiereとの連携(書き出したファイルの受け渡し)

作り込んだカットをPremiere Proに戻して、全体の流れと音を整えて書き出すのが毎回の締めです。

3通りのうち私が選ぶことが多いのは、Dynamic Linkではなく、書き出したファイルを渡す方法です。

理由は、Dynamic Linkでつないだまま重いコンポジションを参照すると、Premiere側の再生がもたつくことがあるからで、公式ヘルプも「レンダリングして置き換え」で軽くする方法を案内しています。

逆に、ほとんど使っていない機能

③の3Dは、仕事の3DCGをMayaとBlenderで作っているので、アフターエフェクト内で3Dシェイプを作ることはほぼありません。

⑤の「写り込んだ物を消す」も、撮影時に避けるようにしているため、案件で使ったのは数回です。

「できること」と「自分の仕事で必要なこと」は別なので、全部を覚えようとしなくて大丈夫ですよ。

7. アフターエフェクト できることを試す前に知っておきたい料金と始め方

「自分の作りたいものは7つのどれかに入っている」と感じた人向けに、始め方を短くまとめます。

2026年9月29日にAdobe公式の製品ページと機能ページで確認した価格は次のとおりです。

プラン月額(税込・年間プラン月々払い)公式ページの記述
After Effects 単体プラン3,280円/月「After Effectsに加え、Adobe Expressプレミアムプランが含まれます」
Creative Cloud Pro(20以上のアプリ)9,080円/月(新規は最初の3か月4,539円/月)「最初の3か月は50%OFF。最初の3か月は4,539 円/月(税込)、それ以降は9,080 円/月(税込)です。新規ご契約者のみ。」
学生・教職員版 Creative Cloud Pro最初の3か月980円/月製品ページの記載。4か月目以降の価格は学生向けページで確認

アフターエフェクトだけを使うなら、単体プランの3,280円/月が基準の価格です。

Premiere Proも一緒に使うなら、複数のアプリが入るCreative Cloud Proとの比較が必要になります。

単体プランを組み合わせた場合との損益分岐は、After Effectsの料金はいくら?で表にしています。

買い切り版を探している人は、正規には存在しない理由と代わりの選択肢をアフターエフェクト 買い切りの記事で説明しています。

契約する前にまず触ってみたい人は、公式の無料体験から始めるのが一つの方法です。

体験版の期間や、体験中に何を作ると判断しやすいかはAfter Effectsは無料で使える?にまとめています。

私のおすすめは、体験期間中に「文字を1行、音に合わせて動かす」を1本作り切ることです。

それが楽しいと感じたら、7つの用途の入口はもう半分くぐっていますよ。

8. アフターエフェクト できることが「向く人」と「向かない人」

最後に、契約するかどうかの判断材料をまとめます。

アフターエフェクトが向く人
  • 文字・ロゴ・図形を「動かす」映像を作りたい人(リリックMV、オープニング、解説動画の図解)
  • 撮った映像に無いものを足したい、写っている人物を切り抜きたい人
  • すでにPremiere Proでカット編集ができて、目立つカットの表現力を上げたい人
  • モーショングラフィックスやVFX(実写に合成する特殊効果)の仕事を目指していて、多くの現場で使われているソフトを触っておきたい人
アフターエフェクトが向かない人
  • YouTubeやVlogの「撮って、切って、テロップを入れて出す」が目的の人(Premiere Proだけで足りる)
  • 音の編集や色の仕上げをメインにしたい人
  • キャラクターや建物を3Dで造形したい人(BlenderやMayaが本命)
  • 撮った動画を編集して公開したいのが目的で、まだ1本も作ったことがない人(先にPremiere Proでカット編集を1本仕上げたほうが早い)

「動画編集をこれから始める」段階の人は、アフターエフェクトより先にPremiere Proで1本仕上げるほうが、結果的にアフターエフェクトの上達も早いです。

私自身も、Premiere Proで2年ほど実写MVを編集してからアフターエフェクトも使い始めたので、「どのカットを作り込めば全体が良くなるか」の感覚を持った状態で学べました。

逆に、作りたいものが最初から「文字を動かす」「合成する」なら、遠回りせずアフターエフェクトから入って問題ないですよ。

9. アフターエフェクト できることについてよくある質問

Q. アフターエフェクトだけで動画編集を完結させることはできますか?

短い動画なら可能です。

15秒の広告や30秒のオープニングのように、1〜数カットで完結するものは、アフターエフェクト単独で作って書き出す人もいますよ。

一方、数十カットを並べる長い動画のカット編集は5章で書いたとおり向いていないので、Premiere Proと分業するのが現実的です。

Q. Premiere Proを使ったことがなくても、アフターエフェクトから始められますか?

始められます。

作りたいものが「文字や図形を動かす」「合成する」なら、Premiere Proの知識は前提になりません。

ただし、撮った動画を編集して公開したいのが目的なら、8章のとおりPremiere Proから始めるほうが近道。

Q. Dynamic Linkが使えないことはありますか?

あります。

Adobeヘルプは「Dynamic Link を作成する前に、After Effects と Premiere で同じバージョンを使用する必要があります。アプリのバージョンが一致しない場合、Dynamic Link は機能しません」と警告しています。

片方だけアップデートした直後につながらなくなるのは、この条件に引っかかっているのがよくある原因の1つです。

また、Premiere側から作ったコンポジションは長さが30秒で作られると同じヘルプに書かれているので、長いカットは後からコンポジション設定で伸ばす必要があります。

Q. 3DCGソフトがあれば、アフターエフェクトの3D機能はいりませんか?

用途が違うので、置き換えにはなりません。

アフターエフェクトの3Dは「平面の文字や写真を空間に並べてカメラを動かす」表現が中心で、3DCGソフトで作ったモデルと文字・光を組み合わせる合成の場としても使います。

私もMayaやBlenderで作ったものを、最後はアフターエフェクトで文字と合わせて仕上げています。

Q. できることが多すぎて、どこから学べばいいかわかりません

4章の3つの仕組みのうち、キーフレームから始めるのがおすすめです。

文字を1つ置いて、位置と透明度にキーフレームを打って動かすだけで、できること①と②の土台は身につきます。

その次に切り抜き(できること④)へ進むと、7つのうち私が毎月使っている4つのうち3つをカバーできます。

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10. アフターエフェクト できることのまとめ

この記事のまとめ
  • アフターエフェクトでできることは「止まっているものを動かす」と「映像に無いものを足す・消す」の2つ。公式ページのタイトルも「モーショングラフィックスソフトウェア」
  • 7つの用途=①文字・ロゴを動かす ②図形・イラストを動かす ③3Dの奥行き ④切り抜き・合成 ⑤トラッキングと除去 ⑥ビジュアルエフェクト ⑦Premiere Proとの連携
  • 境界線は「動画全体の流れ=Premiere Pro」「1カットの中身=アフターエフェクト」
  • 向かない作業は、長い動画のカット編集・音の編集・全体のカラーグレーディング・キャラクターの3DCGの4つ
  • 現役の私が毎月使うのは①②④⑦の4つだけ。全部を覚える必要はない
  • 料金は単体3,280円/月が基準(2026年9月29日公式確認)。まず無料体験で「文字を1行、音に合わせて動かす」を1本作ってみる

アフターエフェクトは、できることの一覧を眺めるほど「なんでもできる魔法のソフト」に見えてきます。

でも実際の中身は、箱に紙を重ねて時間の印で動かす、というシンプルな仕組みの繰り返しです。

自分の作りたいものが7つのどれに当たるかを決めてから触り始めると、学ぶ範囲が一気に狭まって、最初の1本まで早くたどり着けますよ。

次に読むなら、実際の画面と操作の順番をたどれるAfter Effectsの使い方完全ガイドか、契約前の疑問をまとめたAfter Effectsの料金はいくら?がおすすめです。

本記事の引用文・価格・バージョン情報は、2026年9月29日に以下のAdobe公式ページを開いて確認したものです。

価格はすべて税込・年間プラン(月々払い)の表示です。

  • Adobe「After Effects」製品ページ(モーショングラフィックスソフトウェア)… 冒頭の説明文、モーションデザイン/3Dアニメーション/ビジュアルエフェクトの3項目、機能6項目の説明、単体3,280円/月、学生・教職員版 最初の3か月980円/月
  • Adobe「After Effectsの機能」ページ … AIオブジェクトマット、バリアブルフォントアニメーション、SVG、3Dシェイプと「1,300種類を超える無料のテクスチャ」、Creative Cloud Pro 9,080円/月と新規向け最初の3か月4,539円/月
  • Adobeヘルプ「After Effects の新機能」(最終更新 2026年9月9日)… バージョン26.5(2026年9月)、26.3(2026年6月)、26.2(2026年4月)の追加機能
  • Adobeヘルプ「After Effects のワークフロー」(最終更新 2026年1月19日)… 6工程、レイヤーの合成、キーフレームとエクスプレッション、「何百ものエフェクト」の記述
  • Adobeヘルプ「Dynamic Link と After Effects」(最終更新 2026年3月27日)… 同じバージョンの警告、コンポジションの長さ30秒、「レンダリングして置き換え」
  • Adobeヘルプ「合成と透明化の概要とリソース」(最終更新 2026年4月30日)… 透明にする6種類の手段
  • Adobeヘルプ「モーショングラフィックステンプレートの操作」(最終更新 2026年5月11日)… After EffectsとPremiereの役割分担の記述

3章の比較表の◎○△×と、5章・6章の使い分けは、筆者が本業でAfter EffectsとPremiere Proを使っている範囲での見立て。

DaVinci Resolveは日常的には使っていないため、カラーグレーディングの比較は一般的な評価の紹介にとどめています。

無料体験の日数と返金条件は本記事では確認していないため、体験版の記事をご覧ください。

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